教科書は少しずつ増えているのでしょうか。

星野:インターネット時代にマーケティングがどう変わるのか、販売促進策がどう変わるかには強い関心があります。しかしこの分野は変化が激しく、何が定石になるかまだ混沌としており、なかなか教科書となる本がありません。

体系化した「SNSマネジメント」はまだない

 たとえばSNS(交流サイト)について、「いいね」の数が利益にどう関係しているのか、どうして大事なのか、いくつまで集めればいいのか、わかっていません。教科書がない分、私は参考になる事例がないか探すことを意識し、どういうパターンでの成功がありうるのかをみています。「面白い事例」はありますが、何が正しいかはまだわかりません。いずれ「SNSマネジメメント」が体系化するかもしれませんが、こうした分野は「これが正しい」と証明してから始めるのでいいかもしれないと思います。最初に証明する人が一番お金を使い、一番損をすることにもなりかねないからです。

 ホームページのあり方も同じです。マーケティングやマスターブランドと関係しており、エージェントはネット上でつながってきています。しかし、全体としてはまだ混沌としていて、正しいやり方が見えていません。

教科書が間違っていると感じたことはありますか。

星野:論文で証明されている以上、それはありませんし、自社に合わせた使い方をすることもありません。チューニングすべきだという理論があるならそうしますが、そんな理論はありません。だいたいチューニングしたところで、その方法が正しいかどうかが証明されていません。

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「課題に直面するたびに、私は教科書を探し、読み、解決する方法を考えてきた。
それは今も変わらない」--第1部「星野佳路社長が語る教科書の生かし方」より

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