日本経済を取り巻く環境がますます厳しくなる中で、今後のグローバル競争の時代を生きるビジネスパーソンはどのようにキャリアを重ねて行ったらよいのだろう──。
 この連載では、日本の生命保険会社に20年勤務した後、外資系金融会社の日本法人トップも務め、日本企業と外資系企業の双方の良さを知る筆者、岡村進氏が、「グローバル“人財”に必要な資質とは何か」「グローバル時代の働き方」「グローバル企業の強さはどこにあるのか」といったテーマについて毎回、熱く語っていく。

「変わらぬ日本を延命してしまった」という後悔

 筆者は1980年代半ば、バブル経済初期に日本の生命保険会社に入社した。

 入社当時を振り返って今の若者に、「新人の頃は毎年10%給与が上がったんだよ」などという話をすると、羨ましさを通り越して「信じられない!」という表情になる。それを見てとても申し訳ない気持ちになる。

 私は、我々50~60才代が、日本の失なわれた20年の戦犯だと考えている。だから、「これからは全身全霊で次世代の変革を応援する!」と自分にあらためて喝を入れるのだ。

 自分たちだってさぼっていたわけじゃない。毎日残業か仕事関連の飲み会で、夜早く家に帰ることもなかった。でも結局のところ一言で総括すれば、「働き盛りの時に前例を踏襲し続けた世代」なのだ。井の中の蛙としては、あれもやった、これもやったと自己満足できる手柄もいくつかは浮かぶ。ただ、今となってみれば、それすらも、変わらぬ日本を延命し、支え続けてしまったに過ぎないと感じてしまう。

45才にして外資系企業に勤め始めてから、「働く常識」が根本から覆された

「給与は苦しいことの代償」と長らく信じてきた

 「なぜ変革できないのだろう?」とよく考える。

 良くも悪くも日本企業のDNAは強烈だ。「愚直に頑張る!」 それこそが日本のサラリーマンの生き方であると叩き込まれてきた。若い頃、よく上司に「給与というのは嫌なこと、苦しいことの代償だ。だからサラリーマンは偉くなるほど我慢と忍耐が大事だ」などといわれたものだ。もちろん私も、長らくそう信じて生きてきた。