日本では欧州が難民危機に苦悩するのを横目にみて、ああならなくてよかったという見方が少なくない。日本には国連難民高等弁務官をつとめた緒方貞子氏や最近亡くなった犬養道子氏のように、難民問題に真正面から取り組む誇るべき人はいる。しかし、日本社会全体に難民問題を自分のことのように受け取る思考は浸透していない。難民問題が地球規模の課題になっているときに、わずか28人の難民認定ではとても「地球を俯瞰する外交」とはいえないだろう。

外資による買収に「拒否反応」

 グローバル経済の進展のなかで、外資の役割はますます重要になっている。しかし、日本にはなお外資による買収などへの拒否反応がみられる。日本企業による外資企業買収は海外で積極的だが、日本企業が外資に買収されるとなると、日本勢の買収などほかの選択肢はないのかと考えがちだ。大事なのは雇用維持や新しい経営感覚の導入であるはずなのに、日本の企業秩序を崩すことを警戒して、外資の受け入れにはなかなか前向きにはなれない。

 海外企業による対内直接投資は最近ようやく増え出したが、それでも対内直接投資残高の名目GDP比は2016年末、やっと5.2%である。5割の英国、3割の米独仏など他の先進国に比べて桁外れに低い。中国など新興国も2桁台である。「日本に投資を」といいながら、掛け声ばかりが先行する。規制の多さや高すぎる法人税負担も対日投資が伸びない要因だが、外資より日本企業を優先する風潮が消えないことが大きい。日本企業だけで、強固な産業構造を形成しようとしてきた経済産業省の産業政策のツケも大きい。

「鎖国の夢」から覚めるとき

 日本経済がなかなか浮上できないでいるのは、グローバル化の進展に対応しきれていないことが大きな原因だろう。外国人観光客の増大やインバウンド消費に期待が高まるが、外国人労働力や難民そして外資への姿勢にみられるように、開放社会になりきれていない。そこに、冷戦後に大きく動き出したグローバル経済化に出遅れ、もがき続ける日本経済の姿がある。

 トランプ大統領の「米国第一主義」が米国経済の競争力を削ぐように、日本社会に根付く「日本第一主義」が日本経済の出口を塞いでいる。「開放なくして成長なし」である。日本人は「鎖国の夢」からそろそろ覚めていいころだ。