「ふつうの米国」に戻れるか

 トランプ米大統領の人種差別容認で、この政権が存続の危機にさらされているのは間違いない。米議会では民主党による弾劾の動きも強まるだろう。もちろん、実際に大統領弾劾が実現する可能性はいまのところ低いが、大統領の姿勢しだいで、全米のトランプ批判は収まらなくなるだろう。政権は存続の危機を続けることになる。

 トランプ政権が生き残れるかどうかは、人種差別に決別し排外主義を変えられるかどうかにかかっている。特定国からの移民や難民への規制をなくし、「移民の国」にふさわしい国際主義に戻れるかどうかである。保護主義や2国間主義から自由貿易と多国間主義に立ち返れるかどうかである。TPPへの復帰が試金石になるだろう。合わせて、地球温暖化防止のためのパリ協定に復帰するかどうかである。つまり「ふつうの米国」に戻れるかどうかである。

 解任されたバノン氏は「トランプ政権は終わった」と捨て台詞をはいた。トランプ流排外主義をやめ「ふつうの米国」に戻らないかぎり、皮肉にもバノン氏の警告が当たる可能性がある。