中国共産党は2月25日、国家主席の任期を「2期10年」までとする憲法条文を撤廃する憲法改正案を発表した。習近平国家主席が2023年以降も主席にとどまり、長期政権を可能にする狙いがあるとみられる。(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

 グローバル化し急旋回する世界は、いま強権政治家と独占企業家に牛耳られようとしている。中国の習近平国家主席は任期撤廃によって3選に道を開いた。再選が確実なロシアのプーチン大統領、トルコのエルドアン大統領など世界のあちこちで強権政治家が幅を利かす。極右ポピュリズム(大衆迎合主義)の台頭も加わって、中道政治は脇に追いやられる。一方で、グローバル経済は米国のアップル、アルファベット(グーグルの持ち株会社)、マイクロソフト、アマゾン、フェイスブックのIT(情報技術)ビッグ5が新市場を独占している。飛躍的な技術革新で巨大な富が集中する一方で、これまで経済発展の基盤になってきた中間層の衰退を招いている。「『中』の時代の終わり」は民主主義と資本主義の危機を告げている。

「中華覇権」へ習近平の野望

 中国共産党は国家主席の任期を連続して2期までとする規定を撤廃する憲法改正案を発表した。これによって、習近平国家主席は、3期目に入ることが可能になる。10年を超える長期政権に道を開いたことになる。独裁を阻止するための2期までの制限が破られたことで、習近平国家主席への権力集中は一段と進むことになる。とくに「反腐敗」で締め付けを強化すれば、反対勢力は沈黙せざるをえず、権力集中による強権化に拍車がかかることになる。

 習近平国家主席は自ら打ち出した広域経済圏構想「一帯一路」が当初、警戒的だった日米も含め国際社会の信認を一応得たことに自信を深めている。「一帯一路」構想そのものは、トランプ米大統領の登場で保護主義の風潮が広がるなかで、グローバル経済化の進展に貢献するようにみえるが、そこには「中国第一主義」の思考が潜んでいる。中国企業の受注が9割を占めるという調査もある。