第2項と第3項の位置づけは、第2項が武力行使を目的とする国連の活動、第3項が武力行使を目的としない国連もしくは国際機関による活動でしょうか。

大野:その通りです。第2項のポイントは二つあります。一つは「武力の行使を容認する趣旨が明らか」な「国連安保理決議」を要件としたこと。これによって、国連が主導する活動であっても、正統性の強いものに参加・協力を限定します。

②国際連合安全保障理事会が国際の平和及び安全に必要な活動として加盟国に対し武力の行使を容認する趣旨が明らかである決議を行った場合においては、当該決議に基づく活動の内それ自体が直接の武力行使に当たらない活動に限り、法律の定めるところにより、これに参加し又は協力することができる。

 湾岸戦争の時に決議された678号を想定しています。イラクがクウェートに侵攻したのを受けて、「地域内の国際平和と安定を回復するため、必要とされるあらゆる措置をとることを認める」と明記されました。これを基に多国籍軍を編成したわけです。

 一方、イラク戦争は、湾岸戦争の停戦決議である決議687号が守られなかったことをもって武力行使を正当化していますが、明瞭さを欠いていたと思います。

 2つ目のポイントは、「それ自体が直接の武力行使に当たらない活動に限り」としていること。憲法9条がこれまで維持してきた規範を尊重し、国際貢献とはいえ武力行使は禁じます。

 第3項は、国連やその他の国際機関、例えばアフリカ連合などの地域機関が主導するPKOなどを想定しています。現在のPKOは武力行使を目的とはしていません。それならば、日本は協力するべきでしょう。

「人道的な見地から行われる」「必要最小限度」の武力行使は認める

第4項はどのような事態を想定した規定ですか。

④前二項の規定による参加又は協力に関わる活動は、法律の定めるところにより実施し、
それ自体が直接の武力の行使に当たらない活動が、他の者の武力の行使と一体のものとなると認められるときであっても、法律の定めるところにより、当該活動が人道的な見地から行われるものであって、且つ必要最小限度にとどまる場合には、これを行うことができる。

大野:第2項と第3項が想定するケースに自衛隊を派遣した時に、現地の状況が変わり、武力行使に巻き込まれることが考えられます。この場合、後で紹介する二つの要件を満たした場合には武力行使を容認します。この規定により自衛隊は、例えば、さまざまなPKOにこれまで以上に積極的に参加し、国際社会に貢献することが可能になります。

 PKOの現場で当初の目的に反して武力を行使せざるを得なくなるのは、次のようなケースです。部族AとBで対立し紛争が生じている。その紛争地域において死に直面する人が倒れている。この人物を助けることは部族Aを利することになるかもしれない。