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死ぬほど挑戦させて、失敗してもらう

「これはゼロイチになりそうな人材だ」と目星をつけたら、どのように育成していくのでしょうか。

岡島氏:まず組織の風土になじみ過ぎていない、手あかがついていない状態で、色々なことに挑戦させていく必要があります。35歳以下、できれば30歳以下くらいの若いうちから、子会社への出向や新規事業、海外転勤など様々なチャレンジをさせていく。そこで意思決定の場に立ってもらい、どんどん失敗してもらう。挑戦の数を死ぬほど増やすことで、何かを生み出す。ゼロを100回繰り返したら、やっと1が生まれるかどうかなんです。

 多くの企業はこれまでOJTを重視してきましたが、それだけではゼロイチは生まれません。同じような社員が生み出されるだけで、考える力を失ってしまうのです。重要なのは、意思決定の「場数」をいかに踏ませるか、だと思います。

社内に「ゼロイチ人材」に該当する社員がいないという場合もありますよね。

岡島氏:ゼロイチ人材はある程度「作れる」と思います。組織の風土に慣れ、“汚染”されてしまう前に、様々なチャレンジをさせ、失敗をしてもらえばいいのです。

 ただゼロイチ人材を育てるのはとても時間がかかります。まず、わらの中から針を探すようにゼロイチになり得る人材を必死で探しだし、5年、10年かけてチャレンジをさせていく必要があります。しかも挑戦させたからといって必ずしもゼロイチ人材になれるわけではない。

 だから先見性のある企業は業績のいい時からゼロイチ人材の育成を始めています。業績が傾いた時に慌てて育成を始めても、間に合わない。

 業績がいいからといって、のんびりしているヒマはありません。せっかくゼロイチの芽を持っている人材でも、社内の風土に染まり過ぎてしまったら、その芽は失われてしまう。

 破天荒だけれどなんだか憎めない。荒削りだけど実行してしまう――周囲にそんなゼロイチの芽をもつ人材がいたら、「変わり者」と排除せずに、ゼロイチになりうるのではないかと、その人の可能性に賭けてみる。そんな度量が企業には求められています。

日経ビジネスRaiseのオープン編集会議では「ゼロイチ人材の育て方」をテーマにした企画を実施しています。イノベーションを活性化しようと、モノやサービスを創造する“ゼロイチ人材”を求める声は日増しに高まっていますが、同調圧力の強い日本社会ではそうした人材が育ちにくいといった批判も尽きません。そもそもゼロイチ人材ってどんな人? ゼロイチ人材の目を摘んでいるのは誰? こんなことをみんなで議論しています。

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ゼロイチ人材ってどうしたら育成できるんでしょう?