子供にもっと自由を
小エビや魚の切り身を餌にするとか。
カラカニス氏:はずれ(笑)。腐った鶏肉です。もう、ねばつくくらいに腐った臭いやつ。それが一番釣れるとわかって、スーパーに鶏肉を買いに行って庭で腐らせて、それを持ってもう一回釣りに行きました。10杯も釣れましたよ。
サンフランシスコでは、多くの親が見知らぬ人に話しかけるなと子供に教えています。桟橋は手すりもないですから、落ちたら危ないと桟橋にも連れていきません。
私の娘は桟橋を走って行って、中国人のお年寄りたちに話しかけました。下手をすれば桟橋から落ちたかもしれません。しかし、私はむしろ、桟橋でカニ釣りをしている見知らぬ人に、自分から話しかけようとする娘を放っておきました。その経験が、とても大事だと思ったからです。
仕掛けにカニがかかって引き上げようとしたとき、とても重いんですよ。「手伝って」と娘は言いましたが、私は手を貸しませんでした。カニを捕まえたいのなら、自分でやりなさいと。
腐った鶏肉も触りたくないですよね。娘もはじめはそうでした。エビやイカの方がいいと。だけど、たくさん釣りたいのならどうすべきか、自分で選ばせました。
子供の言うことに耳を傾ければ、自分自身のアイデアを持っているものです。親は子供に、自分が考えたアイデアはどんなことでもやってみていいんだということを、学ばせた方がいいと思います。
子供を守ることは重要なことです。間違っていません。しかし、子供をもっと自由にさせ、打たれ強く育てるべきです。
子供にもっとリスクを取らせるべきだということですか。
カラカニス氏:ちょっとしたリスクはOKでしょう。
娘は他の子と同じように、おもちゃもアイスクリームも大好きなんですね。あるとき、アイスクリームを食べたいとせがむから、ハイキングに一緒に行くなら1マイル(約1.6km)ごとに5ドルお小遣いをあげると言いました。大人でも絶対にクルマから出たくないような嵐のような大雨でしたが、ジャケットを羽織り、娘は5マイル(約8㎞)も歩き切り、25ドルを稼ぎました。
親はもっと子供にチャレンジをさせるべきです。最近の子供は身の回りの世界を怖がりすぎます。恐れる必要はないんだということを、もっと教えたほうがいい。
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