原聖吾氏(MICIN創業者・CEO):医療系の事業をしていることもあり、人が後悔しないで生きていける社会になったらすごくいいなと心から思っていて、それが社会へのリターンになればいいなと思っています。私自身のキャリアとかリターンとかっていうのは些細なもので、むしろ大きなものにチャレンジすることが大事だなと考えていました。

東京大学医学部卒。米スタンフォード大留学を経てマッキンゼー・アンド・カンパニー入社。医療政策の提言に携わる。2015年、MICINの前身企業を設立。AIによる医療情報分析やオンライン診療サービスを手掛ける
佐伯:シッピオの佐藤さんは自分の年齢や持っているスキル、そして年収などを踏まえてリスクを計算したようですが、お二人はいかがですか。
佐藤類氏:僕は高専を卒業した後、1カ月間マレーシアに旅行に行ったり、アルバイトをしたりと、もともと無職みたいな生き方をしていました。3人兄弟の末っ子なので、親も自由にやらせてくれましたね。両親が自営業で、借金も創業にも反対しませんでした。何も失うものがなかったんです。
佐伯:原さんは医師免許をお持ちですが、失敗しても医師に戻れるなと考えたことはありますか?
原氏:そうですね。失敗するリスクはちゃんと考えてなかったのかもしれません。どこかで戻る場所があると思っていたのかもしれませんね。ただ、事業を始めて、そういうことは思わなくなりました。戻る場所があると思っていると、事業にコミットしきれなくなると思うので。
佐藤孝徳氏:会社員でいることの方がリスクだと思いますし、起業家のほとんどは、「リスクあるよなー」ということは考えてないと思うんですよね。
佐藤類氏:あと、僕はシステムエンジニア(SE)として出稼ぎしていたので、会社がだめになってもSEとして稼げると思いました。いざとなったら1人で働いて返せばいいやと。手に職があるので、楽ではありますね。
ただし、やる前にリスクを考える人は、起業なんてやめたほうが良い。やってから考えるんですね。「やべ。資金繰りどうしよ」と思った時に「あ、SEとして稼げる」と思うわけで。
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