日本を代表するエンジェル投資家として有名な千葉功太郎氏。モバイルゲーム会社のコロプラを副社長として上場に導き、退任後はドローン分野に特化したベンチャーキャピタルを立ち上げた。活動の背景には、投資家として「日本を元気にしたい」という思いがある。
■オープン編集会議とは
読者が自分の意見を自由に書き込める双方向メディア「日経ビジネスRaise(レイズ)」を活用し、日経ビジネスが取材を含む編集プロセスにユーザーの意見を取り入れていくプロジェクト。一部の取材に同行する「オープン編集会議メンバー」を公募。現在、25人のメンバーとともに、起業にまつわる様々な疑問をユーザーとともに考えるオープン編集会議第2弾「起業のリアル」を実施中。
■千葉功太郎氏への取材に同行したメンバー(敬称略)
熊本 有紗 | 国土交通省 |
椎谷 豊 | トラベロコ |
鈴木 瞳 | マカイラ |
田中 宏 | 大正製薬ホールディングス |
辻 貴之 | フジ・メディア・ホールディングス |
栃木 ひかる | ワークスアプリケーションズ |
野河 優貴 | 慶応義塾大学(学生) |
松下 芳生 | JPスタイル研究所 |
宮本 英典 | 東京応化工業 |
(注:発言内容は個人の意見であり、所属する企業や団体を代表するものではありません)
慶應義塾大学環境情報学部卒業後、リクルート(現リクルートホールディングス)入社。サイバードのエヴァンジェリスト、ケイ・ラボラトリー(現KLab)取締役、コロプラ取締役副社長を経て、ドローン分野に特化した日本初のベンチャーキャピタル、Drone Fundを立ち上げる。(写真:吉成大輔、以下同)
大竹 剛(編集部):千葉さんはモバイルゲームのコロプラ副社長など、一貫してモバイルインターネットの世界を歩んできました。今はエンジェル投資家として活動する一方、ドローン分野に特化したVC(ベンチャーキャピタル)のドローンファンドを立ち上げています。なぜ、モバイルインターネットからドローンへと活動の舞台を移されたのですか。
千葉 功太郎氏(ドローンファンド、ゼネラルパートナー):先日、国土交通省と経済産業省が合同で開催した、「空飛ぶクルマ官民協議会」(正式名:空の移動革命に向けた官民協議会)の第1回会合に招かれて、トップバッターでプレゼンテーションをする機会をいただきました。
僕がなぜドローンファンドを立ち上げたのかという話ですが、僕はずっとモバイルインターネットを人生のテーマとして生きてきました。大学は慶応の藤沢キャンパス、1993年入学の第4期生です。
当時、村井純先生というインターネットの神様みたいな先生の授業をとり、そこでインターネットに触れて、インターネットという武器を身に付けました。村井先生は、「これからの時代はインターネットを使って世界を変えていくんだ」という話をされていて、「インターネット前提社会」というキーワードを使っておられた。
その頃はどういう時代だったかというと、1993年12月に「Mosaic(モザイク)」というインターネットのブラウザが世界で初めて発表された頃です。入学当初はまだ「インターネット=テキスト」の時代でした。UNIXでログインしてコマンドを駆使してテキストインターネットの世界を動くという感じです。たぶん、こうした話自体、全く通じない人も多いと思うんですけど(笑)。
入学直後の春学期に「インターネットの時代が来る」と教わり、寒くなる頃にはもうブラウザが登場して、米ホワイトハウスのホームページにアクセスして、「おお、アメリカのホワイトハウスから写真が今、この手元に来てる!」と感動しました。それまではテキストでしか感じられなかったインターネットの世界が、急にわかりやすく、ホワイトハウスの写真が見られるようになって、村井先生の言ったことは本当だった、すごいなあと思ったんです。
今や誰もが普通にインターネットを使っていますから、まさに「インターネット前提社会」になっています。当時、蛇口をひねれば水がでてくるようにインターネットを使えるようになる、と聞いていましたが、それ以上ですよね。
それと同じことがこれから、ドローンでも起きると思うんです。僕は今、慶応大学の研究員をしていますが、「ドローン前提社会」の話をしています。今はドローンはまだ珍しく、ラジコン程度の話だと思っている人も少なくありません。しかし、インターネットと同じくらい、ドローンが普通に飛び交う世界を作りたいし、実際にそうなると思うんですよ。
プラットフォームが大きく変わる瞬間は、投資家としてはビジネスチャンスです。ブロックチェーンもまさにそうです。これは国を揺るがすほどのビッグウェーブです。ただ、僕も投資をしていますが、非常に競合が多いんです。だから、投資家の観点からいえば、必ずくる大きなプラットフォームで、かつ興味を持っている競合がまだ少ないドローンはチャンスなんです。
インターネットを技術的な観点からみると、データを圧縮したり小さく加工したりして、細かく分けて送るインフラです。1つの画像でもたくさんのパケットと呼ばれるデータに分割されて、何通りもの経路を通って目的地に送られます。たくさんの伝書鳩一羽一羽に一文字ずつ預けて飛ばして、みんながまた集まったら全体の文章が完成する、というイメージですね。
僕は、ドローンも同じような世界になると思っています。最終的に空にもドローンが飛ぶインターネットのような道ができて、まさに小分けにされた荷物が目的地に運ばれるようになると思います。空というインフラの中に、ドローンというパケットが、一定のルールの下で動く。
ただし、インターネットと比べた優位点は、情報だけでなく、実際にモノも運べることです。しかも、ドローンは飛行中、データを送信するのみならず取得もできます。ドローンに搭載したカメラやセンサーで周囲の情報を集め、それをAI(人工知能)で処理して様々な用途に活用できるようになります。これは、巨大な産業になると思うんです。
情報ソースは友人のSNSと地上波テレビ
鈴木 瞳(オープン編集会議メンバー、マカイラ):モバイルインターネットとの出会いからドローンファンド設立まで、20年近く経っていますが、その間に何か「コレだ!」と思うビジネスチャンスや投資チャンスはありましたか。
千葉氏:コロプラにいた2014年末頃にドローンが登場してきて、当時は“ゲーム×ドローン”などの切り口も模索したこともあります。それからドローンの本質って何だろうと、自分でもドローンを買って操縦するなどして深堀していくと、先ほどお話ししたような未来が来ると確信したんです。
最初は個人投資家としてドローン分野に投資をし始めたのですが、競合する投資家は意外と出てきませんでした。しかし、ドローン関連を手掛けるスタートアップを募ったら、個人では手におえないほど応募が殺到しました。
彼らや日本の未来のことを考えると、自分のお金で投資をしていくだけでは間に合わないなと。もし自分が投資をしなければ、彼らの可能性はどうなってしまうのか。そう考えて、VC(ベンチャーキャピタル)という形で幅広く資金を募り、よりたくさんのドローン・スタートアップに投資をできる体制を整えました。ファンドをやりたいわけではなく、ドローン関係者を救いたい、という思いが強かったです。
椎谷 豊(オープン編集会議メンバー、トラベロコ):ドローンはあまり投資家の競合がいないそうですが、なぜ千葉さんだけがその世界観や今後を予測できたのですか。位置情報を事業に活用していたコロプラでの経験が影響しているのですか。
千葉氏:そうかもしれません。先ほどもお話ししましたが、ドローンはリアルのインターネットでもあると言えます。自分のテーマは「テクノロジー」×「社会課題解決」なので、世の中の困っていることがあればそれを解決したいと思います。ドローンは、そのアウトプットの好事例です。
辻 貴之(オープン編集会議メンバー、フジ・メディア・ホールディングス):2つ質問があります。1つは、「プラットフォームが大きく変わる瞬間がビジネスチャンスだ」とおっしゃいましたが、その「変わる瞬間」に気付けるのはなぜでしょうか。
もう1つは、リクルートからコロプラまで、起業家として活動されてきたキャリアを踏まえ、投資家という違う立場に身を置き換えたのはなぜですか。
千葉氏:1つ目の質問ですが、変わる瞬間に気付けるかどうかは「センス」だと思います。ただ、誰でも磨けます。
大切なのは、情報に対するアンテナの張り方だと思います。僕は、ニュースサイトなど、皆さんがよく使う情報ソースをあまり使いません。自分が信用している、それぞれのカテゴリーの友人のSNSをすごく見ていますね。国内外問わず、その分野において本当に信頼できる人の発言をまずは信じます。フェイスブック、ツイッター、インスタグラムなど、情報によって変えますね。そして、そこで気になったものを徹底的に調べます。
あとは、テレビを見ます。特に地上波です。見る番組は、強いて言えば視聴率順でしょうか。結局、BtoC(消費者向け)のビジネスでは、「今、何がウケているのか」といった一般的な感性が欠かせません。自分はそれに疎いので、その感覚をバランスよく磨くようにしています。20年前から「テレビはなくなる」と言われていますが、未だになくならないどころか、テレビの影響力は絶大ですから。
また、テレビの次に信用しているメディアは、コンビニエンスストアですね。激戦区のマーケットなので、その棚にあるということは世の中にウケている、ということでしょう。新製品が出ていたらすぐにググります(笑)。
「投資」は両親から学んだ
大竹:2つの目の質問についてはいかがですか。
千葉氏:実は僕は起業家というより、もともと投資家なんです。事業家や起業家は後付けで、本質的には自分のプロフェッショナルは投資家だと思っています。
親の影響は大きいですね。両親ともフラワーデザイナー、すなわちアーティストなんです。そんな両親から叩き込まれたのが不動産投資。不安定な職業柄、収入を安定させるために投資をしていたんです。六本木ヒルズができる20年ほど前に六本木六丁目の小さなマンションを買って、それからずっと売らずに堪えて、大きなリターンを得たこともありました。息子としてそういう両親の姿を見ていて、投資というものを知りました。
社会人になってローンを組めるようになったのだからとマンションを買ったり、上場株式の売買を繰り返したりしました。両親の教えは、「借金は資産だ」というもの。投資とはレバレッジをかけるものなんだと(笑)。
ただ、自分は上場株のトレードには向きませんでした。負けがちだし、投資して待っているだけなのも嫌で。そこで27歳くらいの時、KLabに加わるときに銀行からお金を借りて、投資したんです。やるからには、自分も投資をして自分で会社をコントロールできるようにと。
アニメのように空を全面的に使うSF社会を作りたい
松下 芳生(オープン編集会議メンバー、JPスタイル研究所):プラットフォームの変革という意味では、イーロン・マスクのEV(電気自動車)を思い出しました。千葉さんの描いたドローンの発展シナリオとはどのようなものだったのでしょう?
千葉氏:端的にいうと、空飛ぶクルマ官民協でも話した通り、空という場所を全面的に使うSF社会を作りたいんです。自分が見てきたマンガやアニメは、どれも空が使われていて、21世紀には空を使う時代が来ると思って育ってきました。しかし2001年になっても何もなかった。これは待っているだけでは来ないな、自分もユーザーとして楽しみたいから作っちゃえ、と思ったんです。
松下:ドローンは、BtoCの世界から普及していくのでしょうか。それともBtoB(企業向け)の世界から広がっていくのでしょうか。
千葉氏:完全にBtoBから始まり、その市場がしっかりと立ち上がった3~4年後、2024年ごろにBtoCの市場ができるのではと思います。
最大のハードルは法律ですね。国交省とはずっと話をしています。ドローンは、現在の航空法の中で扱われていますが、航空法だけだとズレがあるので、新しい法整備が必要です。また、空飛ぶクルマも登場し、さらに混乱していますね。これは飛行機なのか。クルマなのか。クルマなら、道路交通法も関わるのか。
実際に飛ばせるようになるまで何年かかるのかも課題です。既存の法律に無理に当てはめようとすると時間ばかり経ち、国際競争力が著しく下がってしまいます。
松下:日本は慎重なので中国などに遅れがちだと思うのですが、そこは変えられるのでしょうか。
人生も経営も「逆算思考」が重要
千葉氏:だいぶ変わってきていると思いますね。まだ、なんの裏付けもないのに、政府が「空飛ぶクルマを飛ばす宣言」をしてしまうわけですから。
物事は全て逆算で考えるべきだと思うんです。積み上げだとネガティブな議論ばかりになってイノベーションは起こりません。期日とゴールを具体的に設定し、初めて逆算思考になれるんです。そこからどう実現するかを考える。人生も経営もそうですよね。
国が期日とゴールを決めてくれれば、産官学の連携が活発になり、企業はもっとも動きやすくなります。
鈴木:今回の協議会は、産官学が連携して短期間で実現した好例だと思います。
千葉氏:もしかしたら、こんな短期間で物事が動いたのは初の事例かもしれないですよね。これがうまくいくと、日本人は真似するのが得意なので、こうした取り組みがどんどん広がることを期待しています。
ちなみに僕は、イーロン・マスクは大好きです。テスラのモデルSは最初の国内ロットを持っていますし、モデルXも持っています。モデル3も買おうか迷っているくらいで、自動運転も日々楽しんでいます。
宮本 英典(オープン編集会議メンバー、東京応化工業):先ほど、インターネットとドローンは似ている、同じ道をたどるという話がありましたが、ドローンも今後普及が加速していくのでしょうか。
千葉氏:そう思います。ここ数年間の成長が異常に速い。中国のメーカーDJIのMavic2は、一つの完成品というほど高機能なのに18万円ほどで買うことができます。3年前はこれほどの性能と価格は夢のまた夢だったのに、と衝撃です。
DJIのように、ドローンの量産機の生産は中国の深センが強いです。“ドローンのトヨタ”の座はDJIが取ろうとしている。
ただ、僕は日本で、産業用途を重要視しています。ドローン業界のヤンマーやコマツ、ヤマハのようなメーカーを、投資家として育てていきたいと思っています。
東大生の起業家が増えているワケ
野河 優貴(オープン編集会議メンバー、慶応義塾大学):大学を卒業して起業ではなく就職を選んだのはなぜですか。
千葉氏:当時はベンチャーといった言葉をあまり聞く機会がなく、どうやって起業をしていいのか、お手本がなくわかりませんでした。だからまずは大企業に入って学ぼうと思いました。
最近は相対的に、僕の母校である慶応生の起業が少ないと感じています。今は東大生が多いですね。
一昔前は、起業はパワーとやる気で勝ち抜ける世界でした(笑)。しかし、今やプラットフォームが成熟化してきて、スタートアップを成功させやすい土壌ができたのだと思います。スタートアップのリスクとリターンをロジカルに計算して、十分に割が合うと東大生も思うようになり、進路の選択肢にスタートアップが入ってきたのでしょう。
大竹:起業家から投資の相談をされる時、何を基準に判断しますか。
千葉氏: CEO(最高経営責任者)の人柄とストーリーですね。それと事業の立ち位置、レバレッジが効くかどうかが大事です。「流行っているから」とか「小遣い稼ぎに」といった理由で起業する人には投資しません。ちょっとダメだとすぐに事業を畳んでしまいますから。ストーリーがあれば諦めません。
もちろん、「手軽に稼げそう」という理由で起業するスタートアップも増えています。そうした動きは否定しませんし、スタートアップのエコシステム(生態系)が大きくなるには必要でしょう。ただし、僕は投資しません。
田中 宏(オープン編集会議メンバー、大正製薬ホールディングス):コロプラでは副社長でしたが、投資家と同じような立場で社長をサポートしてきたのですか。
CEOとCOOは“ニコイチ”
千葉氏:そうです。コロプラ社長の馬場(功淳)さんは、僕がKLabにいた時に知り合いました。
CEOとCOO(最高執行責任者)はニコイチだと思っています。いい相方がいると安心できます。COOはCEOができないことを拾うのが仕事です。役割分担が大事だと思います。
経営者にとっては、お金のみならず時間も投資です。自分の時間を何に充てるのかをよく考えるべきですね。スタートアップの場合、3分の1くらいの時間は採用に、残りの時間はなるべくプロダクトに充てるべきでしょう。資金調達は重要ですが、それ自体に本質があるわけではないので、なるべく短く効率的に終わらせるべきだと思います。
熊本 有紗(オープン編集会議メンバー、国土交通省):投資家という立場と、副社長としてスタートアップを応援するということと、ご自身の中に差はありますか?
千葉氏:基本的にはありません。ハンズオンで入るか入らないか、という差だと思います。ハンズオンで入る場合は、実務がありますよね。前職では人事や組織の統括をしていて、1日10件くらいの採用面接をしていました。
今はもう、さすがに投資先の採用面接や実務はお手伝いしないですが、経営に入って意思決定はお手伝いしますし、ここぞ、という時の人材の引き抜き、というか口説きのお手伝いはします。
今、個人で54社、ドローンファンドで22社に投資をしていますが、意外と投資先はよく見えているんです。皆さん、昼夜問わずメッセンジャーで相談してくるし、5~10 分のミーティングをZoomというアプリを使ってタクシーの移動時間などにしています。本当に肩肘張らず隙間時間を積み上げて投資先とやり取りしています。
日本を元気にしたい
野河:千葉さんの人生の目的は何ですか。
千葉氏:2人の子どもが成人したとき、日本国籍を所有していてほしい、ということですね。
野河:どういうことですか。
千葉氏:これって難しいことだと思いませんか。このまま放っておくと、日本は衰退してしまうと思うんです。そうなると、若い人たちはどんどん、日本を捨てていきますよ。どこで暮らそうが働こうが自由ですし、縛れません。親としても、日本にいることを強要しません。
だけど、僕は日本にいたいと自発的に思ってもらいたいんです。そのためには、そう思ってもらえる日本を自分たちの手で作るしかありません。
僕が目指しているのは、自分が頑張ることで、世界の中で日本のプレゼンスを少しでも上げることです。日本は小さな島国で、普通にしていたら世界のインターネット業界で頭角を現すことは難しいし、その他の産業でもどんどんプレゼンスが小さくなっている気がします。
僕は留学経験もなく、未だに東京ベースで活動しています。僕のような生き方だと、東京に留まることはむしろレアケースなんですよね。シンガポールだったり米シリコンバレーだったり、世界に出て行く人が周りにはたくさんいます。ドローンなら、中国の深センで活動するのが一番いいかもしれない。日本にいる必然性は全くないんです。
この1年ほどで「東京にいる」という決断をしたのですが、それは僕にとって大きなことなんです。東京をベースに日本を元気にすることは僕のライフテーマで、何らかの分野で日本のプレゼンスを大きくするのに貢献したいと思っています。
栃木 ひかる(オープン編集会議メンバー、ワークスアプリケーションズ):社会に影響を及ぼすために、どのようにして長期的な視点で活動をしているのですか。
千葉氏:企業のマネージメントをしているという意識はあまりないですね。どちらかというと、導くという感覚です。サイバードにいた頃もそうでしたが、その時の僕の肩書は「エヴァンジェリスト(evangelist)」でした。当時は「エヴァンゲリオン?」などと言われていましたが、日本語にすると伝道師ですね(笑)。
僕は自分自身、「エヴァンジェリング能力」が高いと思っています。「エヴァンジャライズ(evangelize)」というのは、ビジョンやかくありたいという強い思いを、バーンと打ち出して、それをみんなに「いいな」と思って来てもらうという能力です。それをひたすらやり続けてきました。
僕が主宰している(起業家支援の)「千葉道場」の合宿でも、1泊2日、ひたすらそれをやり続けているんです。そこに共感した約100人の起業家が参加するんですが、そこでの思いが一つになると、また全員が進化を遂げるんです。そんな感じです。
空飛ぶクルマ官民協もそうでしたね、国の会議なんですけど、経産省の担当者の方からも、良い意味でまったく官民協議会っぽくなかったといわれましたね(笑)。僕が、着物を着て、イラストを出し、キックオフのプレゼンをしたら、スタートアップ感丸出しのイノベーティブな感じになりました。いわゆる「国が主催の」お堅い雰囲気ではなく、日本が新しいことをやるんだということが明確に伝わったと思います。
自分がやるのはあくまでも、日本としてかくありたい、という思いの発信です。僕は、投資家であろうとなかろうと、やっぱりエヴァンジャライズしていくことをやり続けたいと思っています。
日経ビジネスRaiseのオープン編集会議では「起業のリアル」をテーマにした企画を実施しています。エンジェル投資家・千葉功太郎氏のインタビューを読んで、どんな点に興味を持ちましたか。Raiseでは皆さんのご意見をお待ちしております。
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