死んでもやり続けられることしか続かない

山下雄己氏(電通国際情報サービス):自分がほしいサービスだから、という理由でやり始めていたとしても、ライバルもやっていると不安になりませんか。

兼元氏:自分以外の人でもできると思ったとしたら、それはそれだけの熱量しかないということです。起業はやめたほうがいいですよ。「死んでもやり続ける」と思えるものしか続かない。上手にできるとか、できないとか、そういうレベルの不安は関係ないです。

 FAQ(よくある質問)のマーケットは僕らが作った市場ですから、始めた当時は全くありませんでした。儲かる、儲からないじゃなく、なぜやるか、が大事だと思います。僕らは社会のデバイド(分断)をなくしたいという思いがあり、そのためにはQ&Aサイトが必要だったし、大事だった。

山下氏:マーケットのサイズなどは気にならなかったですか。

兼元氏:これはお金にならないけどやるのか、それでもやりたいのか、天秤にかける。やっているうちにいろんな辛いことがある。信頼している人にお金を持ち逃げされたこともある。そんなときでも続ける理由は何か。それは、市場がある、なしは関係ないんですね。

宮本英典氏(東京応化工業):でも、仮に将来、お金にならなくてもやりましたか。

兼元氏:難しいですね。そりゃ、手当てはしていました。アルバイトしていましたし。例えば(バンドの)スピッツも、売れるまで10年くらいアルバイトをしていましたよね。いつヒットするかわからない中でも続けていた。モノになるかわからないものをやり続けられるか、そこにロマンを感じられるか、というのは人それぞれ。僕は、心の底から生きている、と思いたいタイプです。

桂氏:日本の教育に足りないものは何でしょうか。

兼元氏:日本では「事故にあうかもしれないから、信号を守りなさい」という風に教えますよね。これって、心理的には事故にあいなさい、と言っているんですよ。本来、命令としては「止まれ」と言うべきなんです。つまり、どうなるべきじゃなくて、どうしたらダメ、と言っている。これによってアクセルを踏みづらくなっているんじゃないかなと思います。

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