シリーズ
細川昌彦の「深層・世界のパワーゲーム」

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関税合戦は序の口、深刻度増す“米中経済戦争”
とうとう米中二大国は関税の報復合戦を始めた。それは巨大国内市場を持った大国が一方的制裁を振りかざす「パワーゲーム」の世界に突入したということだ。
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知財だけではない、中国・“標準化強国”の怖さ
中国が技術の「標準化戦略」で、国内産業育成という「守り」から、世界標準獲得という「攻め」の姿勢に転じている。特許戦略と並び経済覇権を得るための「車の両輪」で、日本企業にとってのリスクが高まっている。
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対中制裁では解消しない、中国・知財強国の怖さ
米国は中国に対して約500億ドルの制裁関税を7月6日から順次発動すると発表した。中国の米国企業に対する知的財産権の侵害がその理由だが、そこには米国の制裁だけでは決して解決しない根深さがある。
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“対米配慮”“対中配慮”は日本の自己満足だ
貿易戦争を繰り広げる米中への日本の対応が煮え切らない。欧州連合(EU)は鉄鋼製品に高関税を課した米国と知財問題を抱える中国を、世界貿易機関(WTO)に提訴した。ところが日本は及び腰だ。両国への「配慮」の裏には何があるのか…
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「1対6」だけでは見誤る、G7サミットの本質
6月8~9日にカナダで開催される主要7カ国(G7)首脳会議を前に、通商問題で米国が孤立する「1対6」の構図が取り沙汰されている。だが、通商問題の“本流”はそこにはない。むしろ米欧日の協調という、別の潮流が大きくなっている…
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米中通商協議に透ける、米国の焦りと混乱
先週、米中の貿易摩擦を巡る初の閣僚協議が終了した。米中の激しい応酬が繰り広げられ、具体的な進展がないまま、協議は長期化するようだ。当然の帰結だろう。その背景には、攻めているはずの米国側に焦りと混乱がある。
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日米首脳会談から読む“ギアチェンジ”
トランプ氏の意を受けて忠実に交渉するだけの「交渉屋」であるライトハイザーUSTR代表が米側の責任者になった。これを受けて立つのがTPP11の交渉で評価を上げた茂木大臣である。この2人の人選が交渉モードへのシフトを物語って…
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直前予想、日米首脳会談はこうなる!
本日(17日)から2日間、日米首脳会談が開かれる。トランプ大統領は北朝鮮と通商問題で「予測不能」の揺さぶりを仕掛けてくる。その時、安倍首相はどう対応するか。双方が繰り出す交渉のカードを直前予想する。
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中国の報復関税はWTO違反だ
中国は4月4日、米国産の大豆や航空機など106品目に25%の関税をかけると発表した。同2日に発動した、ワインやナッツ類など120品目に15%、豚肉など8品目に25%の報復関税に続く措置。だが、これらはWTO違反である。
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輸入制限で日本を除外しないトランプの頭の中
トランプ政権が鉄鋼とアルミニウムの輸入制限を発動した。欧州連合(EU)や韓国など7カ国・地域が適用除外になったが、日本は中国とともに対象にされた。なぜ、日本は除外されなかったのか。狙いは、4月の安倍首相訪米の際に米国に有…
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鉄鋼規制より怖いコーン米NEC委員長辞任
3月8日、トランプ大統領が鉄鋼輸入制限に署名した。だが、衝撃は「現実派」とされていた国会経済会議(NEC)委員長の辞任の方が大きい。日本とEUが「規制対象外」となる可能性も高く、怖いのはむしろ米政権の政策決定プロセスの欠…
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トランプの鉄鋼輸入制限で米中貿易戦争が勃発?
ロス米商務長官が鉄鋼とアルミニウムの輸入制限をトランプ大統領に提案。4月までに最終判断されるという。貿易赤字の最大の元凶である中国をターゲットにしたもので、いよいよ「米中貿易戦争」の火ぶたが切って落とされるのだろうか。
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米国のTPP復帰検討は、トランプ流の揺さぶりか
ダボス会議でトランプ大統領が「TPP復帰を検討」と発言したという。しかし、その本気度はいかほどか。トランプ大統領の発言やこれまでの通商戦略を見ると、それがトランプ流の単なる「揺さぶり」の可能性が高いことが浮かび上がる。
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中国と米国の「一方的制裁」の応酬という悪夢
世界貿易機関(WTO)の閣僚会議が、閣僚宣言を採択できずに閉幕した。背景には、中間選挙を睨み内向き傾向を強める米国が、中国に「一方的制裁」を単独で講じる大義名分を得ようという思惑もある。だが、それは中国の“報復”を招き、…
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中国が海外の先端技術を買いあさる「軍民融合」
中国の「軍民融合」戦略に対する警戒感が高まっている。企業買収や貿易を通じて先端技術を獲得し、軍事目的に利用する可能性がある。先進諸国は法改正などで脅威への対応を急ぐが、中国は今や世界を「規制する側」に立とうとしている。
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中国「国家資本主義」の抑止策が日本主導で始動
露骨な「国家資本主義」を強める中国。中国の「一帯一路」構想は日本にとってもビジネスチャンスだが、リスクも大きい。産業界の懸念を軽減すべく、日本主導で「中国抑止策」とも言うべき取り組みが密かに動き出している。
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「TPP11」は「仮想中国」との交渉だった
TPP11が大筋合意に達した。ベトナムやマレーシアが中国に類似した自国優先のルールの導入を目論む中で、TPP11の交渉はいわば「仮想中国」との交渉だった。今後中国は巻き返しに動くのか?そして離脱した米国は?パワーゲーム…
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事実上、「日米FTA交渉」は既に始まっている
トランプ大統領の初来日では、北朝鮮に関心が集中した。だが、実はビジネスの観点では「日米FTAへの言及がなかった」ことこそ、注目すべき点だ。なぜ、言及がなかったのか。それは、事実上、既に交渉が始まっているからだ。
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どうなる?トランプ訪日と日米FTA交渉
10月16日(日本時間17日午前)、第2回の日米経済対話が開催された。11月上旬に予定されているトランプ大統領の訪日を控えているだけに、その前さばき、心構えの準備の意味も持つ。米国が意欲を示しているとされる2国間FTA(…
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北朝鮮制裁、最後の手段「石油禁輸」が持つ意味
北朝鮮に対する経済制裁強化で、「最後の手段」とも言われる「石油の禁輸」が焦点となっている。国民生活など人道上の問題も生じかねないからだ。中国やロシアの反対も予想される中で、北朝鮮への制裁で重要なポイントは何か。かつて経済…