Focus 20
細川昌彦の「深層・世界のパワーゲーム」

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日米「経済版2プラス2」始動 合意内容の裏を読み解く
日米の「経済版2プラス2」の初会合。共同声明、行動計画の内容は日本政府のブリーフィングをもとに報道されている。これは当然のことながら、「お化粧」を施して見栄えをよくしたものだ。ここではできるだけ「素顔」を見ることにしよう…
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複合機、医療機器…中国「国産化」で日本企業に深刻な技術流出リスク
最近の経済安全保障を巡る論議を見ると、国会で成立した経済安保推進法に終始している。しかしそうした国内の論議をよそに、中国は国産化戦略を急速に加速させている。必要なのは先端技術の入手で、標的になるのが日本企業だ。日本企業は…
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韓国への輸出管理措置発動から3年 やはり“空騒ぎ”だった?
日本が韓国に対する輸出管理措置を発動して、7月でちょうど3年になった。韓国では尹錫悦(ユン・ソンニョル)新政権が発足し、戦後最悪とまでいわれる日韓関係の改善へ期待が高まっている。そのためには元徴用工問題をはじめとする日韓…
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クアッドと新経済枠組み「IPEF」に漂う不安
日米首脳会談、インド太平洋経済枠組み(IPEF)の発足、日米豪印(Quad、クアッド)首脳会合という一連の大きな動きがあった。これらをバラバラに論じていては、大きな国際経済秩序の潮流を見逃すことになる。全体を俯瞰して見る…
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バイデン大統領主導の新経済圏 アジアに「実利」はあるか
岸田文雄首相との日米首脳会談を終えたバイデン米大統領は5月23日、「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」の発足を正式発表した。昨年10月にバイデン大統領がこの構想を発表して以来、関係国と協議を重ね、ようやく「中身の議論を…
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G7が結束したロシア産原油の禁輸 日本にとっては厳しい選択
先進7カ国(G7)は首脳会議でロシア産原油の原則禁輸を合意してロシアへの圧力を強めた。エネルギー自給率が低く原油のほぼ全量を輸入している日本にとっては厳しい選択となる。
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ロシアの陰で日本企業に迫る中国の脅威 狙われる素材・部品・装置
日々衝撃的な現実が伝えられるロシアによるウクライナ侵攻に世界の耳目が集まっている。そうした中、着実に今後のパワーゲームへの手を打っているのが中国だ。世界秩序は米中対立から西側対中ロへと向かっている。それを前提にした中国の…
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米国のロシア産原油禁輸は「強硬ポーズ」 日本のサハリン2は?
ウクライナ侵攻の追加制裁として米国がロシア産原油の禁輸に単独で踏み切ったが、実はこの措置の実効性には疑問符が付く。それでも踏み切ったのは、バイデン政権にとって議会対策の意味を持つからだ。
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ロシア制裁が作り替える冷戦後秩序 中国はどう動くか
ロシアによるウクライナ侵攻が深刻化する中、西側諸国によるロシアへの経済制裁が発動された。資産凍結、金融制裁の他、ハイテク製品の輸出規制に米国は日本、欧州連合(EU)と協調して乗り出した。こうした動きは「冷戦後の秩序の作り…
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日米首脳会談、「経済版2プラス2」に込められた思惑を読み解く
岸田文雄首相はバイデン米大統領と初めての首脳会談を実施した。目玉の成果とされている「経済版2プラス2」の創設にはどのような思惑が込められているのか。
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トヨタも2兆円投資 「崖っぷちの電池」も経済安保の対象に
自動車産業における100年に一度の大変革の死命を制するのが付加価値を生むスマイルカーブの川上と川下で、それぞれ電池とソフトウエアがカギを握る。とりわけ電池は大国が激しい争奪戦を繰り広げており、経済安保の戦略産業となってい…
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国産ワクチン戦略で「バイオのTSMC」を 半導体の二の舞避けよ
新型コロナウイルスをきっかけに、日本のワクチン開発・製造がいかに脆弱かが露呈した。国家の危機管理として、新たな創薬技術を用いた開発・製造の基盤整備が欠かせない。半導体産業の二の舞は避けなければならない。
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7000億円超の半導体産業支援、TSMC誘致はスタートにすぎない
バラマキ批判もある過去最大の55兆円超の経済対策。11月26日、補正予算案が閣議決定された。金額の規模や経済効果の報道は毎回繰り返される光景だが、そこには本質的な意味はないが、注目すべきものも盛り込まれている。「経済安全…
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人権で日本もやっと踏み出した? 選挙の陰に隠れたG7貿易相会合
人権問題では後ろ向きで主要7カ国(G7)の中で孤立しつつあった日本もやっと一歩前に踏み出した。10月22日に英国で開催されたG7の貿易大臣会合での焦点は、6月の首脳会議から託された「貿易と人権」、つまり「強制労働問題での…
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経済安保で霞が関に「大方針の号令」を 岸田政権の本気度を問う
船出した岸田文雄新政権の目玉政策として経済安全保障に焦点が当たっている。この問題を自民党の座長としてけん引してきた甘利明幹事長が政権を中枢で支える。米中対立が激化する中で、経済安全保障はグローバルに大きなうねりになってお…
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台湾のTPP加盟申請に慎重だった日本 中国申請で目算狂う
9月16日の中国に続いて、台湾が22日、環太平洋経済連携協定(TPP)への加盟を申請した。これらの動きに直面して、慌てているのが韓国だ。東アジアの経済圏で唯一取り残されることになるからだ。焦った韓国も加盟申請に動き出すの…
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中国、TPP加盟カードで米国と日本の新政権を揺さぶる
米国がアフガン問題、日本が国内政局で揺れる中、中国は着実にカードを繰り出す。環太平洋経済連携協定(TPP)加盟のハードルは高いはずだが、中国は各加盟国を各個撃破できるとタカをくくっているふしも。今後の焦点は、中国の揺さぶ…
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半導体に素材、EV部品……中国・国産化の標的は日本企業か?
中国による国産化政策が着実に加速している。米中対立の長期化を覚悟して、中国は従来のグローバルな供給網から中国中心の供給網・自立へと脱皮を急ぐ。そのカギを握るのが先端技術の獲得だ。そしてその標的になりそうなのが日本企業だ。
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ウイグル取引で米国が警告、日本政府の逃げ腰で人権リスクは企業に
米国のバイデン政権が中国・新疆ウイグル自治区の供給網を持つ企業に対して「米国の法律に違反する高いリスクを負う可能性がある」と異例の警告文書を公表した。これは米国企業だけに向けて発したものではなく、むしろ日本企業がスケープ…
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G7サミット、「強制労働」を見落とすメディアの愚
今回のG7に関する日本の報道を見ていると、日本の外務省が描いたシナリオは明確だ。ただ注意しなければならないのは、外務省によるブリーフィングに頼ってしまうこと。せめて共同宣言の全文を読みこなし、他国の記者会見の内容もフォロ…