連載第9回は、7月27日の基調講演に登壇するガリバーインターナショナルが今夏からスタートさせる、月額定額制「クルマ乗り換え放題」サービスについて取り上げます。
クルマや駐車場、家などの遊休資産をいつでも利用できるシェアリングサービスが、日本でも本格的に普及し始めた。
今春以降、配車アプリの米ウーバー・テクノロジーズはトヨタと、民泊サービスの米エアビーアンドビーはカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と提携を発表しており、国内でも大きな市場に育つ兆しが見えてきた。
ウーバー、エアビーアンドビーともに、需要(移動したい人、泊まりたい人)と供給(クルマとドライバー、空き部屋)を拡大し、双方の最適なマッチングを実現することで事業が成長する。マッチングにおいては利用者の位置や評価などのデータを活用し、機械学習などのアルゴリズムを用いて最適化する。ビッグデータビジネスそのものと言える。

NTTドコモが子会社を通じて東京都内で展開する電動アシスト自転車のシェアリングサービスは、前年比2倍のペースで利用を伸ばしている。ディー・エヌ・エーは、クルマを所有している個人と、乗ってみたい個人をマッチングするサービス「Anyca(エニカ)」を昨年9月に開始。クルマ愛好家の間で話題になり、登録車数は首都圏の一都三県で約1500台に達している。
乗り換え頻度が重要なKPI
そんなシェアリングサービス市場に今夏、また新たなプレーヤーが登場する。中古車販売大手のガリバーインターナショナル(7月15日にIDOMへ社名変更)は、月額定額制の「クルマ乗り換え放題」サービスのベータ版を始める。毎月一定の料金を支払えば、気に入ったクルマに次から次へと乗り換えられる、画期的なサービスだ。
運営主体は当初、ガリバーの一部門となる。運営部門としてはクルマを所有せず、初期段階ではガリバー社内からクルマの利用料を払うような形で調達する。
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