これからの経営イノベーションにはデジタル、データ、デザインの3つの「D」が欠かせない。2016年7月に新イベント「D3 WEEK 2016」を開催する専門誌3誌が、最新の企業事例やキーパーソンのインタビュー記事などで、その可能性を探ります。

 連載第1回は「D3 WEEK 2016」(7月29日)の基調講演に登場するクレディセゾン林野宏社長が目指す新戦略「イノベーションの実現とビジネスモデル・チェンジ」の中核をなす最新デジタルマーケティング施策を採り上げます。

 クレディセゾンは7月から、自社のクレジットカード会員データを用いた広告配信を本格化させる。同社が持つ3500万人のカード会員データやカード決済データなどを匿名処理した上で、外部の広告ネットワークへの広告配信に活用する。そうして、自社のカード利用の促進や、金融商品の申し込み増加につなげたい考えだ。

社内データを一元管理

 同社の持つカードの利用データにより、いつ、どこで、いくらの金額を使っているかが分かる。消費者のライフスタイルや購買力を分析する上で、とりわけ価値の高いデータと言えよう。このデータを使えば、ゴルフ場やスポーツ用品店をよく利用する50代の男性、といったターゲット層をデータから精緻に絞り込んで広告を配信できる。

 データ活用の基盤となるのが、4月に設置した「セゾンDMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)」だ。DMPとは社内に存在するさまざまなデータを一元管理して、広告配信などの施策に活用するマーケティングツールを指す。

カード会員情報、過去13カ月分のカード利用履歴、ポイントサイト「永久不滅.com」の利用履歴などをDMPに取り込んで分析

 クレディセゾンはこのDMPにカード会員情報、過去13カ月分のカード利用履歴、ポイントサイト「永久不滅.com」の利用履歴などを取り込んだ。また、近日中にはカード利用時のオーソリゼーション(与信照会)データは、ほぼリアルタイムで取り込めるようにする。ただし、プライバシーへの配慮から、「個人情報については一切、DMPに取り込んでいない。すべてのデータに匿名加工を施した上で取り込んでいる」とネット事業部の磯部泰之データマーケティング部長は強調する。