2018年も上半期がもうすぐ終わります。この期間に「日経ビジネスオンライン」で特に読まれた記事をご紹介します。第2回目はノンフィクションライター山田泰司さんによる「中国生活「モノ」がたり~速写中国制造」から編集部厳選の10本をお届けします。
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2018年2月15日
売血・売春…行き場なくす中国の「下層の人間」
北京の貧困地域を歩く(上)
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2018年2月16日
中国の出稼ぎ青年を無差別殺傷に追い込んだもの
北京の貧困地域を歩く(下)
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2018年4月26日
海外旅行年6回に車はベンツ、中国中産階級の謎
中国の庶民=日本の大企業を定年退職した60代
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2018年1月25日
今なら中国の貧困層を追いつめてもまだ耐える
キヤノングローバル戦略研究所研究主幹・瀬口清之氏を迎えて(2)
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2018年2月22日
中国に国境線の概念なし、そう理解して付き合う
哲学者、作家の内田樹氏を迎えて(2)
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2018年3月8日
「充電だ」と消えた運転手、北京のEVバス事情
独裁の息苦しさといい加減さが併存する中国
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2018年2月21日
内田樹氏に改めて聞く『街場の中国論』
哲学者、作家の内田樹氏を迎えて(1)
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2018年1月24日
日本企業が欧米企業よりも中国で成功するワケ
キヤノングローバル戦略研究所研究主幹・瀬口清之氏を迎えて(1)
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2018年5月24日
中国の14億総主流化と「殺馬特」の死
生存空間を奪われる外れものたち
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2018年1月18日
髪凍る雲南の少年とあかぎれ留守児童の10年後
大人になっても都会に行ってもついて回る貧困の連鎖
この連載「中国生活「モノ」がたり~速写中国制造」が『3億人の中国農民工 食いつめものブルース』として単行本になりました。各界の著名人からレビューをいただきました。
●私はこの例外的に「間合いの近い」取材方法を成り立たせるために著者が費やした時間と労力を多とする。長い時間をかけて、息づかいが感じられるほど取材対象の間近に迫るというスタイルは現代ジャーナリズムが失いかけているものである。
(哲学者 内田樹氏によるレビュー「感情の出費を節約する中国貧困層のリアリズム」より)
●「ブルース」という単語に何とも(やや古びた)哀愁があり、そしてカバーの写真の農民工の写真には、記念写真では決して撮れない、私自身が感情移入して泣いてしまいそうなリアリティがある。
(中国問題の研究家 遠藤誉氏によるレビュー「執念の定点観測で切り取った、中国農民工の心」より)
●だが、最近の日本のソーシャルメディアでは、「親の時代はラッキーだった」、「親の世代より、子の世代のほうが悪くなる」といった悲観的な意見が目立つ。中国においても、農民工の楽観性や忍耐がそろそろ尽きようとしているようだ。
(米国在住のエッセイスト 渡辺由佳里氏によるレビュー「繁栄に取り残される中国の『ヒルビリー』とは?」より)
●同書で描かれるのは、時代と国家に翻弄される個人たちだ。歴史的背景や、共産党政権の独自性うんぬんといった衒学的な解説はさておき、目の前で苦悶している、もっと距離の近い苦痛の言葉だ。
(調達・購買コンサルタント/講演家 坂口孝則氏によるレビュー「年収3万の農民に未婚の母、中国貧民の向かう先」より)
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