伝記、歴史もの、経営書など本を読みまくる

 しかし、大物でなくても、優れた指導者は必ずいるとチェスキーは言い張る。「失業中のデザイナーだった頃も、いろんな人に会いに行った。臆面もなくね」。実際、失業中のデザイナーだったからこそ、こうした大物に会ったことが役に立ったと言う。「僕にはなにもお返しするものがなかった。少なくとも自分より数年先を行っている人を選ぶのがコツなんだ」。チェスキーと同じような人脈を持つCEOは多いが、チェスキーほど活用できていないとセコイアのアルフレッド・リンは言う。「人脈があればもちろんいいけれど、本人に潜在的な能力がなければ役に立たない」

 「情報源」は生きている人でなくてもいい。チェスキーはウォルト・ディズニーとスティーブ・ジョブズの伝記から、最も価値のある教訓を学んだ。ジョージ・パットン陸軍大将やロバート・マクナマラ元国防長官といった歴史上の人物からも学びを受けた。経営書も読みまくった(アンディ・グローブの『HIGH OUTPUT MANAGEMENT』[日経BP社刊]がお気に入りだ)。

 コーネル・ホスピタリティ・クォータリーなどのニッチな専門誌からも情報を得る。チェスキーはただの読書好きという範疇をはるかに超えている。年に一度ホリデーシーズンに家族を旅行に連れていくが、その間はリフレッシュのためにありったけの本を読みまくる。休暇中は「本から目を離さないんですよ」と母のデブは言う。「夕食の間でも読んでますからね」。

 また、休暇中に年に一度の社員への書簡を書くのも恒例だ。「何時間も何日もノンストップでやってるんです。私たちにその原稿を読んでくれて、私たちが完璧と言っても、その後でまた50回も書き変えてますよ」

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