最高のアドバイザーたちが言うことはバラバラ

 EJはチェスキーの手紙と反対の話をブログに載せた。例のブログが世間に出たあと、あれほど親切だった顧客サービスチームが突然姿を消した。チェスキーCEOではないもうひとりの創業者が直後に電話をよこしてきて、犯人はわかったが、情報は渡せないと言った。もうひとりの創業者とはブレチャージクで、EJのブログ記事による悪評を心配し、ブログを取り下げてくれないかと頼んだ。エアビーアンドビーは彼女の安全を確保するための手はなにひとつ打ってくれず、そのための費用も支払ってくれなかった。

 EJは、支援を表明してくれた人に向けて、そのお金で次は本物のホテルに泊まったほうがいい、と締めくくっていた。一方で、別のユーザーが数カ月前に起きた同じような恐ろしい話を表に出した。麻薬を使ったゲストが彼のアパートをめちゃくちゃにしたと書いていた。

 悪い状況がさらに悪くなっていった。最高のアドバイザーに囲まれていたのに、みんな言うことが違う。ほとんど全員が会社への影響ばかりに目を向けていて、なにか言ったり動いたりすれば、状況が悪化するのではないかと恐れていた。アドバイザーたちは、EJがかまってくれるなと言っているのだから、かまわないほうがいいと言っていた。弁護士は、発言はくれぐれも慎重にしろと念を押していた。だが、慎重に口を閉ざしていることが、事態を悪化させていた。アドバイザーの言うことを聞かないほうがいい、とチェスキーはやっと気がついた。

 「あの時期は、思いやりがなくなったわけじゃないけど、自分の優先順位が昔と逆転していた。暗い時期だった」。結果を操ろうとするのをやめて、自分たちの価値観に添って経営すべきだと気がついた。僕は謝らなければならない。心から謝らなければ。