取締役会で反対意見が出ることはない

同じトップが長く会社を牽引していると、イエスマンばかりになってしまうと、そういうことですか。

田邊会長:そうですね。銀行から来た人には、いろいろとやらせていこうと思っています。三井住友と三菱東京UFJと、どちらが適任かしばらく見てから判断して、そうしたら私は会長に退いて、少し様子を見て名誉会長にでもなって、それで終わりと。そういうことを考えています。

これまでの取締役会では、だいたい田邊会長の意見に全会一致で物事が決まっていたのでしょうか。

田邊会長:そうですね。社内から反対意見が出てくることはまずないです。

反対意見が出ないと、自分の判断が正しいのか、不安にはなりませんか。

田邊会長:そんなことはないです。

長期政権になると「裸の王様」になってしまう可能性もあるとおもいますが。

田邊会長:自分の家来みたいな人ばっかりでやっているとそうかもしれませんが、うちとしてはなるべくできる人を役員にしていますから。言うことを聞かないような人も役員にしています。特に、社外取締役の人たちですね。社内はどちらかというと、イエスマンになってしまいますから。「社長、こっちの方がいいんじゃないか」というようなことは、あまり言わない。今度、三井住友から招いた人は、そういうことができるのではないかと期待しています。

歳をとっているからといって悪いわけではない

ここまで長く、会社を経営し続けると思っていましたか

田邊会長:いや、思っていない。なんとなく今まで来てしまいました。

高齢になると、突然、亡くなるリスクもあります。そのような場合に、誰が経営を引き継ぐか、決めていますか。

田邊会長:いや、していないですね。しかし、そろそろ私が死んだ時の後継者候補の優先順位を決めておこうと思う。

高齢になると、判断が鈍るというリスクはないでしょうか。

田邊会長:歳をとってくると経験を積むでしょう。トップとしての経験ね。経験は力ですから、少しは役に立つわけです。歳をとっているからといって、それが悪いとは言えないと思います。中小企業で言えば、90才を過ぎても親方がやっているところは多いですよね。それでうまくいっている事例も結構ある。逆に、事業継承で失敗したという事例は、私の周りではあまり聞かない。取引先など、みんな適当にやっていますよ。