英国は、米国に次ぐ2番目の「電子たばこ」市場と目されている
英国は、米国に次ぐ2番目の「電子たばこ」市場と目されている

 米フィリップ・モリス・インターナショナルやJTはこうしたベンチャーを取り込んだり、膨大な研究開発費を投じたりすることでベンチャーが開拓してきた市場への浸食を狙う。JT子会社のJTインターナショナル(JTI)で電子たばこなどの新分野を統括する中島康裕氏は「今後10年間は2ケタ成長を続ける市場であり、技術的なブレークスルーも起きうる分野だ」と強調する。

 JTは2014年に「E-Lites(イーライツ)」ブランドを展開する英ザンデラ社を、2015年には「Logic(ロジック)」ブランドを持つ米ロジック・テクノロジー・デベロップメント社を買収。JTとJTIが連携する形で従来品の改良や新製品の開発、先進国での販促を強化している。

「JTグループの総力を挙げる」

 液体タイプのほか、今年3月に日本で先行発売した、たばこ葉を使った「プルーム・テック」(日本では法律上、たばこ製品に該当)もこうした連携の成果。JTのR&D(研究開発)の知見とJTIのマーケティング機能を組み合わせることで、競争力を高める考えだ。中島氏は「JTグループを挙げて新分野でグローバルに注力するのは、おそらく初めてのケース」と説明する。

JTIの中島氏は「市場は2ケタ成長が続く」とみる
JTIの中島氏は「市場は2ケタ成長が続く」とみる

 また、電子たばこにはもう1つ、ユニークなポイントがある。それは今や死語になりつつある、「世界の工場」としての中国の役割だ。

 「日本のメーカーも電子たばこを作っているのよ。若者たちにすごく人気があるの」。ロンドンで訪れた別の電子たばこ専門店で、女性店長がこんな声をかけてきた。日本企業も参戦とは!と驚いてはみたものの、企業名を聞くと「INNOKIN(イノキン)」という。インターネットで調べてみると、実は中国・深圳市に本社を置くれっきとした中国企業だった。

 日本企業というのは女性店長の勘違いだったわけだが、電子たばこベンチャーは欧米系の企業という印象だっただけに、これには別の驚きもあった。さらに話を聞いてみると、流通している製品の大半は中国製だという。

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