それは今まで見たことのない、奇妙なペット葬だった。100匹以上の動かなくなった「犬」が本堂に設けられた祭壇にずらりと祀られている。住職の読経が始まると、喪服を着た参列者が神妙な表情で焼香をしていく。

 千葉県いすみ市の日蓮宗光福寺で執り行われたのは、「AIBO(アイボ)」の葬式だ。AIBOとはソニーが生んだ犬型のロボットである。AIBOの葬式は2015年から始まり、私が訪れた2018年4月26日で6回目を数えた。ペット葬もここに極まれり、という印象である。

 2年前、初めての葬式の時に弔われたAIBOは17台だけだった。だが、回数を重ねる度に供養されるAIBOの数は増えていった。2017年6月の5回目の葬式では100台を超え、今回は114台に「引導」が渡された。袈裟を着た2体のAIBOが「南無妙法蓮華経」と、お題目を唱えるパフォーマンスも行われた。

 しかし、生命体ではないロボットにたいして、葬式をあげるとはどういうことか。話は初代AIBOが誕生した20年ほど前に遡る。