京都・嵯峨野で暮らすジャーナリスト兼僧侶がお届けする「京都発信型仏教コラム」。京都の気になるニュース、京都の企業のこと、伝統文化など、仏教的視座を交えながら軽快に綴ります。
シリーズ
きょうの坊主めくり

完結
16回
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明治維新の“悲劇”が生んだ京都ノーベル賞企業
2018年は、明治維新から150年目の節目であった。今年最後に、幕末維新と関係の深い京都の企業の誕生秘話を紹介したいと思う。田中耕一氏のノーベル化学賞受賞で一躍注目を浴びた島津製作所は、1875(明治8)年創業の老舗企業…
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日産、スルガ銀、スバル…社是から考える不祥事
三菱マテリアル、スバル、スルガ銀行と企業不祥事が相次いだ2018年。日産ゴーンショックが世間を騒がすなか、各社の社是を見返してみた。共通するのは「社会の役に立つ」という理念だった。古き良き「日本型経営」の心はなぜ失われた…
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AIBOの葬式に密着
それは今まで見たことのない、奇妙なペット葬だった。100匹以上の動かなくなった「犬」が本堂に設けられた祭壇にずらりと祀られている。千葉県いすみ市の日蓮宗光福寺で執り行われたのは、「AIBO(アイボ)」の葬式に密着した。
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「名刺」が供養の対象となる理由
IT企業やベンチャー企業は、宗教行為とは一見、無縁に思える。だが、クラウド名刺管理サービスを提供するSansan株式会社は近年、主体的に供養祭を実施している。供養の対象は、「名刺」である。
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築地市場移転でどうなる? 「被曝マグロ塚」
築地市場が先月6日、83年間の歴史に幕を閉じた。市場は閉鎖され、フェンスで覆われた。建物は1年4カ月をかけて解体される。この築地市場閉鎖で、気に掛かったことがある。第五福竜丸事件の「遺構」のことだ。
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ムスカの感謝「ハエちゃん、ありがとう」
ムスカの串間さんは会社に祀られている神棚に手を合わすことが日課になっている。「ハエ様あっての会社です。ハエへの感謝の気持ちを込め毎日、私も社員も手を合わせます。『ハエちゃん、今日もありがとう』などと、声を掛けてね」
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アース製薬の懺悔「いっぱい殺して、ごめん」
害虫から人間社会を守っているのが、殺虫剤を手がけるメーカーである。実は大手家庭用殺虫剤メーカーや業界団体は「虫供養」を毎年実施している。害虫の殺生を生業にしている企業ではあるが、「供養せずにはいられない」という。
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「香典一律3000円」に見る樹木希林さんの死生観
先月15日に亡くなった樹木希林さんは生前、香典の袋の中身を誰であっても3000円に決めていたという。世間体を気にして、いちいち香典の中身に苦心するのはバカバカしい。だったら一律3000円にすればいいじゃないか、という意図…
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北方領土と日本宗教界、知られざる深い関わり
ロシアのプーチン大統領は今月12日、安倍首相に前提条件なしで年内に平和条約を締結することを提案した。本コラムと領土問題は一見、不似合いのように思えるかもしれないが、実は北方領土とお寺や神社とは決して無関係ではないのだ。
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進む葬儀業界のIT化、AIスピーカーで法話も
8月下旬、東京ビッグサイトで開催された「エンディング産業展」に行ってきた。葬送にまつわるアイテムやサービスといえば、保守的で、雰囲気が暗く、画一的なものが多かったが、今回のエンディング産業展は現代の葬送事情を反映した刺激…
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日本に残る「虫送り」という呪術
害虫による農業被害を防ぐ目的で、神仏の加護に頼るのが「虫送り(追い)」の行事だ。地域によってその形態は多少異なるが、夕刻、松明を持った村人たちが田んぼの畔を、経文や呪文を唱えながら練り歩く。戦後しばらくまで、多くの農村で…
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京都「五山の送り火」は「十山」だった
お盆とは、ご先祖さまの霊をこの世に迎え、回向を手向ける仏教行事である。「霊魂」というと都会の人は非科学的と思うかもしれないが、お盆は1年の中でもっとも死者の魂を“可視化”できるチャンスでもある。
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「オウム7人死刑」を現役大学生はどう見たか
オウム真理教の元代表ら7人の死刑が7月6日、執行された。私は週に1度、東京農業大学で1年生を対象に授業を受け持っている。彼らはオウム事件を生で知らない世代である。そこでオウム事件や今回の刑執行について学生の考えを聞いてみ…
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豪雨に揺れる京都で女将が平然と口にした一言
何十年に一度の豪雨が京都の街を襲い、特別警報が発令された7月6日。東京のある知人から連絡を受けた。私の安否を気にして電話してくれたのだ。この人物は毎年、祇園祭の時期にあわせて上京し、鴨川の夏の風物詩である床料理を楽しむ。…
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京都嵯峨野の名所「竹の小径」傷つけたのは誰
京都嵯峨野の名所「竹林のトンネル(小径)」はとくに外国人比率の多いスポットだ。この竹林の小径が多数の竹の表皮が刃物で傷つけられている、との報道内容が相次いだ。被害状況を調べてみると意外な事実が判明した。
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野中広務お別れ会に見た変わりゆく葬送観
私が京都に引っ越し、荷ほどきや諸手続きで忙殺されていた最中「京都政界のドン」「影の総理」などと呼ばれた、元官房長官の野中広務さんのお別れの会に参列した。野中さんのお別れの会を題材にして、昨今の葬送の変化について綴っていこ…
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小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明
「ピース・オブ・ケイク(a piece of cake)」は、英語のイディオムで、「ケーキの一片」、転じて「たや…
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徹底予測2021年 底打ちか奈落か
日本経済の節目の年として幕を開けた2020年は、誰もが予想できない最悪の1年となった。すべての始まりはコロナ禍だ…
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クルマ大転換 CASE時代の新秩序
総付加価値額が450兆円ともされる自動車産業の構造が変わり始めた。GAFAやEVスタートアップ、ソニーなどが新た…
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不屈の路程
話題の経営者や気鋭の起業家はいかにして自らの経営を確立するに至ったのか。そこにたどり着くまでの道のりは決して順風…
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菅野泰夫のズームイン・ズームアウト欧州経済
ロシアを足掛かりに、欧州経済・金融市場の調査を担当して、既に十数年の月日がたちました。英国の欧州連合(EU)離脱…
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1000年企業の肖像
日本は創業100年以上の企業が多くあり、世界一の長寿企業大国として知られる。その中には創業1000年を超えると伝…
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10 Questions
いま、世の中で起こっていること。誰もが知りたいと思っていること。でも、ちゃんと理解できていないこと。漠然と知って…
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河合薫の新・社会の輪 上司と部下の力学
上司と部下が、職場でいい人間関係を築けるかどうか。それは、日常のコミュニケーションにかかっている。このコラムでは…
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ファクトフルネス思考
「データを基に世界を正しく見る習慣」を紹介した書籍『ファクトフルネス』は、日本で90万部を超えるベストセラーとな…
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大西孝弘の「遠くて近き日本と欧州」
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グルメサイトという幻
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フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える
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70歳定年 あなたを待ち受ける天国と地獄
従業員の希望に応じて70歳まで働く場を確保することを企業の努力義務として定めた、改正高齢者雇用安定法が2021年…
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