李ヘジン:創業メンバーのストックオプションについては、私1人で決めたわけではなく、社外取締役を招いて成果への評価システムを導入した上で、それに従って取締役会で決めたものです。LINEの成長や上場については、私よりも慎さんの方が貢献していると思いますし、それに対して公正な評価があったと思いますので、私は1人の取締役として喜ばしく受け入れました。

 慎さんは、私の希望もあり、2008年、日本市場開拓のため、ネイバーを辞めて家族とともに訪日してくれて、(LINEの前身である)ネイバージャパンの立ち上げに尽力してくれました。

 私は、会社が成功した場合、最初の創業期にリスクをとった人の貢献が最も大きいと思っていますし、高く評価すべきだとも思っています。

 もちろん、舛田(淳・取締役)さんなど日本人のメンバーがライブドアの買収を提案してくれたり、LINEのアイデアを出してくれたりした貢献もかなり高いと思います。ですが、そうしたすべてのことが可能になった最初のステップを作ったのが慎さんなのです。

 ただし、これからは事業の拡大や成長に応じた貢献評価をしていくことになりますので、多分、日本人メンバーの方が多くのインセンティブを得ていくようになっていくのだと思っています。

米フェイスブックに立ち向かう武器は「多様性」

 米国で上場したのは、改めて世界に「LINEは世界で勝負するんだ」という決意表明をする、ということだと思いますが、メッセンジャー市場では米ワッツアップを傘下に抱える米フェイスブックなど、巨人が立ちはだかっています。

李ヘジン:確かに、企業価値や生み出すキャッシュフローなどを冷静に比べてみますと、(フェイスブックなどとは)ライバルとは呼べないほどレベルの差があると思いますね。アップルやグーグルやフェイスブックは、世界で一番有能なエンジニアが集まるシリコンバレーで、最も高額な報酬で人を採用しています。

 つまり、私たちは世界で一番強い会社をライバルとしているわけですね。それらを相手に、どう生き残っていくか。これは、本当に難しいことだと思います。

 今後、何を武器とすれば、それら巨人に立ち向かっていけると考えているのでしょうか?

李ヘジン:こちらに武器があるとすれば、出澤(剛・LINE社長)さんや舛田さん、慎さんなど、日本人と韓国人が力を合わせてチームワークを発揮していることでしょうか。それは世界的に見てもユニークで、強い部分だと思います。