「プレモータム」は悲観的な日本人に合う

 プレモータムを大まかに説明すると、まず何かを始める時に、失敗のイメージを膨らませていくことからスタートする。物事を始める前に成功ではなく、失敗してしまったと想定するわけだ。

 それによって、顕在化していない様々な問題点をあぶり出し、その問題が表面化しないよう事前に手を打ち、成功に導く。自ずと小さな失敗やつまずきを回避できるため、手戻りが減り、生産性は格段に上がる。

 タイムトラベルをして未来に到着したと想像する。そして失敗してしまったと仮定する。そこから時間を遡って未来の失敗の原因を分析しながら、徹底的に問題をあぶり出す。

 未来の失敗に真正面から向き合い、敗因を考えに考えて対策を先取りする。そして「何をやったらいけないか」と未来の失敗を防ぐ具体策を立案。実行に移す。

 この方法論は、実は日本人に向いていると私は思っている。

 もともと日本人は比較的、悲観的なモノの見方をすることが多い。そのペシミズムを上手に利用すれば、プレモータムという方法論は自分たちのものにしやすいはずだ。

 私は、米国のプレモータムという方法論を基に、日本の仕事の現場で適用できるよう独自の考え方を入れ、「プレモータム・シンキング」という方法論に仕立てた。

 

 実際のビジネスシーンで使えるツールもつくり、現場に合った改良を加えている。これを使えば、間違いなく失敗が減り、成功への道筋がハッキリと見える。同時に、様々な手戻りが減り、生産性も大きく上がるはずだ。

 

 本コラムではこれから、このプレモータム・シンキングを使うための基本を紹介していきたい。