今年5月、フランスでは同国史上最年少・39歳という若さ年齢の新大統領が誕生した。エマニュエル・マクロン氏だ。

 選挙活動の間、彼は大衆に向けてメッセージを伝える際に、常にネイビーのスーツを着用していた。勝利宣言でもネイビーのスーツとネイビーのネクタイ、そして白のシャツという、王道のスタイルを貫いた。

2017年5月14日、大統領府での就任式でもマクロン新大統領はネイビーのスーツにネイビーのネクタイだった(写真:ロイター/アフロ)
2017年5月14日、大統領府での就任式でもマクロン新大統領はネイビーのスーツにネイビーのネクタイだった(写真:ロイター/アフロ)

 マクロン新大統領は、就任後も活動の重要なシーンではこのスタイルを貫いている。5月14日、大統領府で就任式に臨む時にもネイビーのスーツとネクタイ、初の外遊でドイツを訪問してメルケル首相と会談した時や、先のG7の際にも同様の装いだった。

 そもそもネイビーを基調とした装いには国際舞台に通用するクラシカルさやオーセンティックさがある。

 ネイビーという深い青みは、「知的」「精悍」「冷静な頭脳」「落ち着き」「若々しさ」「爽やかさ」「清潔感」、さらには「現役感」や「力強いパワー」などを、見る人に認知させる。ただ悩ましいのは、このネイビーという色は、自信や意思のない人が身に着けると、まるで制服を着ているように映ったり、「つまらない格好」に見えてしまったりもする。

 その点、今回のマクロン仏大統領のネイビーの着こなしは印象的だった。

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