閉鎖から開放へ──。これこそが、データ資本主義の世界を生き抜く要諦の一つだ。この戦略を進めるのはファナックだけではない。工作機械世界シェアトップのDMG森精機。森雅彦社長も異業種他社と広く連携すべきだとの考えを持つ。

データ資本主義で生き抜く3つの要諦
1 自社で完結しないオープン戦略
2 柔軟な組織の見直し
3 製品・サービス化のスピードアップ

 「新興国メーカーが技術力を高めている今、競合製品同士の差異がなくなってきた。技術を自社内だけに閉じていては、やがて競争力を失う」(森社長)。他社が作る切削工具や計測器といった周辺機器やソフトウエアを、自社の工作機械と連携させる戦略を進めている。

 今、世界ではデータのプラットフォームを巡る覇権争いが起こっている。先行する米ゼネラル・エレクトリック(GE)は、自社用に開発したIoT用OS(基本ソフト)「プレディクス」を、世界中の企業に外販し始めた。データを囲い込むことで、コンサルティングサービスの質を高める狙いがある。

 国際標準を狙う動きも活発になってきた。GEを中心とする「インダストリアル・インターネット・コンソーシアム(IIC)」や、米クアルコム、米マイクロソフトなどの「オール・シーン・アライアンス」が、通信やセキュリティーの規格争いで火花を散らす。日本勢も各陣営に参加するが、影は薄い。

 データのプラットフォームを巡る“戦争”。取り残された企業は競争で不利になり、淘汰される時代が来る。世界中の企業とIoT関連ビジネスで連携するシスコのローワン・トロロープ・シニアバイスプレジデントは、「IoT時代が到来すれば、フォーチュン500の40%が入れ替わるだろう」と予測する。

 既存の取引関係や業種の枠組みにとらわれない企業間の連携はこれからますます活発になるだろう。

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