センサーという「モノ」だけを売るのではなく、そこから得たデータを活用した「サービス」も合わせて売る。工場の生産設備向け汎用センサーで国内トップシェアを持つオムロンも、そんな新時代の到来に適した新ビジネスを展開しようとしている。「生産設備向けセンサーをIoT化し、そこから得たデータを設備で発生する不具合の予想に役立てる」というものだ。

 生産設備にはもともと、様々なセンサーが搭載されている。モノを搬送するのに使うサーボモーターのトルク(回転力)や速度、位置などを測るセンサー、カメラで不良品の有無などを検査する画像センサー、組み付け後の部品が所定の場所に収まっているかなどを検知する接触センサーなどだ。

 これまでのセンサーは、「不良品かそうでないか」「部品が所定の位置にあるかどうか」など、それぞれの目的を果たすためだけに使われてきた。オムロンは、センサーに通信機能を搭載して測定結果を収集・蓄積できるようにすることで、設備で発生する不具合の予想に生かそうとしている。

顧客に提供する前に自社工場で検証

ファイバーセンサーの投光モジュール

 オムロンは2015年6月から、綾部工場(京都府綾部市)のファイバーセンサーを製造する工程で検証を始めた。ファイバーセンサーとは、モノが所定の場所を通過したか否かを判断するのに使うもの。投光部と受光部があり、両者はファイバーでつながっている。投光部から常時、発せられている光が、受光部に届かなくなったかどうかで、モノの通過をカウントする。設備で発生する不具合を予想する仕組みを導入したのは、投光モジュールを生産する「アライメント」と呼ばれる工程だ。

投光モジュールを製造する設備「アライメント機」。複数の電子部品を一体化した「パッケージ」の上に接着剤を塗布し、レンズやリフレクターといった部品を組み付ける