IoT(モノのインターネット)の進展であらゆるデータが自由に取引されるようになり、新たなビジネスが生まれる時代が訪れている。
 ヒト、モノ、カネと同じように、データが経営の根幹になる「データ資本主義」。日経ビジネス5月23日号の特集では、データ資本主義の到来に備えた産業界の動きをレポートした。

 その1社が米シスコシステムズだ。ファナック、米ロックウェルオートメーション、プリファード・ネットワークス(東京都文京区)と共同で、工場向けのIoT基盤「フィールド・システム」を開発すると発表。いち早く覇権を握ろうとIoTビジネスへのシフトを加速させている。IoT事業を統括する、ローワン・トロロープ・シニアバイスプレジデントに、データ資本主義の生き残り方を聞いた。

米シスコシステムズでIoT事業を統括するローワン・トロロープ氏(写真:陶山 勉、以下同じ)

シスコのIoTビジネスは、パートナーシップによるものが多い印象を受けます。先日もファナックなどとの共同開発を発表しました。事業分野や協業相手の選び方は。

トロロープ:IoTビジネスでは、1社で成功するのは難しく、パートナー探しが重要になります。当社では、IoTに関して4つの部門があります。その中で、アプリケーション部門は、私が判断を下しています。

 アプリケーションの事業分野についてですが、まず業界を選ぶことから始めます。IoTが進んでいる業界とそうでない業界があり、その可能性についても判断が必要です。シスコとして参入を決めているのは、産業機器などの製造業、都市開発、自動車の分野です。

 次に、各企業の投資意欲とマーケットを見ます。我々と組もうとする意欲があるか。そして我々と組んだ時に付加価値がどれくらい上げられるのか。我々はプラットフォームをオープンにしようとしています。どこに投資するかはその企業の判断なので、その見極めも必要になります。

その点で、ファナックと組んだ理由は。

トロロープ: 稲葉善治社長に非常に先見性があったことです。ビジョンに富んだトップの熱意がありました。ただ、我々はパートナーを限定するつもりはありません。製品とプラットフォームを提供しますが、こうした協業はもっとたくさん出てくるべきだし、これから出てくるでしょう。