付属のVRゴーグル。スマホをゴーグルの中に装着する。記者も試してみたが、映像はなかなか綺麗だった

 最大の売りは、VRゴーグルを組み合わせて水中の映像をリアルタイムで映し出す機能だろう。釣り針をドローンの前に吊り下げておいて、魚がそれを食べた瞬間をVRゴーグルを装着した人がリアルタイムに視聴できるというプレゼンが示された。しかし、いくら魚の脳味噌が小さくても、こんな怪しいドローンに近づいて来るのだろうか。仕様書には、ドローンの前に付いている「高度な魚群誘導燈が魚を惹き付ける」と書いてある。本当だろうか・・・。

PowerRayを下から見たところ。先頭に魚を惹き付ける「魚群誘導燈」が付いている。下側の白い丸い部分に「独立型の魚群探知機」が装着できる(オプション)

 さて、気になる価格だが、基本セット(本体、4Kビデオカメラ、リモコン、ベースステーション、50メートルのケーブル、充電器、標準ボックス)は16万8000円(税別)だ。事前に30万円以上はすると見込んでいたので、安いと感じた。魚群探知機やVRゴーグルなどが全て揃ったセットは21万8000円だ。ちなみに、ケーブルは水中の映像を伝送するために利用する。海中だと、いろんなものに引っかかりそう・・・とか余計な心配だろうか。

 さて、最後にこの水中ドローンの産業上のインパクトを考えてみたい。

 こう言う画期的な商品を中国のベンチャー企業が東京で格好良くプレゼンする時代なんだなぁーと素直に感動した。こと民生用ドローンに関しては、中国は世界トップレベルにあると言っていいだろう。「中国企業は先進国企業のモノマネばかり」と根拠なく高をくくっていると大きなしっぺ返しを食らうだろう。

 とは言え、20万円近くもする“おもちゃ”をポンと買える人がどれだけいるのかと正直思う。パワービジョンでアジアパシフィック地域のジェネラルマネージャーを務めるトニー・ジャン氏は「日本市場で10万セットを売りたい」と鼻息が荒かった。対象となる顧客は、釣り、ダイビング、ボートなどマリンレジャーを楽しむ人だという。

 帰りの都営バスに乗りながら、「こんなおもちゃに20万円払える友だちなんていたっけな~」とか「どうせなら、この水中ドローンが最高に楽しめる綺麗な海に、自家用クルーザーで連れて行ってくれる友だちの方がいいぞ」などと妄想が膨らんだ。興味のある人は同社サイトで予約すれば、6月中旬から出荷できるそうだ。