社歴の長さと利益率に相関関係

 利益率は和菓子の会社の平均が1.73%であるのに対し、洋菓子の会社は1.19%となり、和菓子の有意差が目立った。

 社歴(企業年齢)の長さと利益率の関係でみたとき和菓子、洋菓子ともに社歴が長くなるほど、利益率が上がる傾向がはっきりしている。菓子会社は社歴と利益率に非常に強い相関関係があることがわかった。

 「和菓子も洋菓子も起業時の混乱を乗り越えて社歴が長くなると、経営が安定して利益率も安定してくる。社歴が長くなる中で地域に根付き、ブランド力が高まってくる影響もあるだろう」(山本准教授)。和菓子のほうが利益率が高いのも、社歴の長い老舗の比率が高いことが影響しているとみられる。

和菓子の会社の社歴(企業年齢)の長さと利益率
和菓子の会社の社歴(企業年齢)の長さと利益率
(注)縦軸が%、横軸が年
洋菓子の会社の社歴(企業年齢)の長さと利益率
洋菓子の会社の社歴(企業年齢)の長さと利益率
(注)縦軸が%、横軸が年

 今回の調査ではテキストデータも活用し、扱い品目ごとの利益率の高さについても比較した。どんなお菓子を手がける会社の利益率が高いのか。

 和菓子の場合、利益率の高さが目立ったのがまんじゅうを手がける会社で、特にまんじゅうを製造小売りする会社の利益率が高い。他には最中を手がける会社なども利益率の高さが目立つ。一方、洋菓子の場合にはウエハース菓子を手がける会社の利益率が高かった。他にはクッキーやビスケットを手がける会社も高い。「大量生産しやすいものやお土産品になりやすいものが多い」(山本准教授)。

 次に地域別にどんな特徴があるのかを見てみよう。

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