
150万社のビッグデータを活用し、新しい切り口や問題意識からこれまで知られなかった日本経済の姿を明らかにする――。今回のテーマは和菓子を手がける会社と洋菓子を手がける会社の比較だ。ビッグデータを使って分析したところ、同じお菓子の会社にもかかわらず、意外なほど企業行動のあり方などに違いがあることがわかった。
調査・分析は東京商工リサーチ(東京・千代田)と東京経済大学の山本聡准教授による共同研究の一環。データやグラフなどは東京商工リサーチの企業情報データベースに基づく。それぞれにはメーカーのほか、製造小売りする会社なども含まれている。
社歴は和菓子の会社のほうがずっと長い
和菓子を手がける会社と洋菓子を手がける会社の違いについて、特に分かりやすのが社歴(企業年齢)だ。
和菓子を手がける会社は社歴の平均が72.8年と非常に長い。そのうえ創業84年を越えるところが4社に1社を占めている。地域で古くから中心的な役割を果たしてきた老舗企業には菓子会社が少なくないが、和菓子を手がけるところが目立つのはこのためだ。

これに対して、洋菓子を手がける会社の社歴は平均41.4年。「企業の寿命30年説」を大きく上回っているが、和菓子を手がける会社と比べた場合、平均の社歴は半分強にとどまる。もちろん、洋菓子の会社のなかにも創業100年を越える会社はあるが、和菓子の会社と比べると全般に社歴の短い企業が目立つ。

山本准教授は「菓子業界は全般に息の長さが目立つうえ、和菓子の会社と洋菓子の会社の違いは思いのほか大きい。特に和菓子は老舗の集合体といえるほど長寿企業の層が厚い」と話す。
次いで和菓子の会社と洋菓子の会社の利益率を比べてみた。
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