開発担当者は1号店のオープン後、“狙い通り”の光景を目にした。体格の良い男性の3人組が、このセットをおいしそうに食べていたのだのだという。千原執行役員も、高齢の夫婦2人が食事を楽しむ様子を見て手ごたえを得た。「夫婦で『専門店のスパゲッティはおいしい』と会話しながら、おはしでパスタを食べていた。この気軽な雰囲気は、まさに目指していたものだった」と語る。

 ミアクッチーナの1号店は2016年に3月に兵庫県尼崎市の商業施設「あまがさきキューズモール」に出店。4月末には奈良県橿原市のイオンモールに2号店を出店したばかりだ。

 2号店のメニューは、1号店と全く同じメニューではなく、顧客の声を反映してパスタの量を増やすなどの取り組みもしている。1号店の売上高は計画通りで、2号店は計画の2割増となっているという。

創業者精神を貫くには“戦い”も必要

 「とことん話し合って、戦うべき部分は戦う。社内に理解してもらわないと新業態は作れない」。こう強調するのは、プロントコーポレーション新規事業本部ディプント営業部の坪井大介副部長だ。

 日中のカフェと夜のバーという二毛作業態「プロント」で成長してきたプロントコーポレーション。坪井副部長を中心に2010年にワイン酒場として立ち上げた新業態「ディプント」は、2012年からはフランチャイズチェーン(FC)展開もスタートし、現在は25店(6月上旬に26店舗目がオープン予定)。大規模な出店をしているわけではないが、着実に店舗数を増やしている新業態と言える。ディプントはワインを専門とした女性をターゲットにしたバルで、女性客が8割を超える店もある。

プロントコーポレーションが2010年に立ち上げたワイン酒場「ディプント」。女性客が8割を超える店もある
看板メニューの「生ハムとサラミのてんこ盛り」。このメニューは開発担当者の坪井副部長がイタリアのパルマ地方を旅行中に見た風景がヒントになっている。「板の上に生ハムを載せて、フォークですくいながら豪快に食べる地元の人の姿を見て、ひらめいた」という