「次世代の食」の食レポ第2弾は、「植物肉」。今、米国の西海岸では、植物性タンパク質で作ったハンバーガーが注目されている。より健康で、より環境に優しいという植物肉バーガーの味は? 「ビヨンド・バーガー」と「インポッシブル・バーガー」の2つを試してみた。
「次世代の食」の取材のため、記者は米国西海岸を訪れた。米国では「フェイク(偽)」の食品がブームになりつつあるというからだ。トランプ大統領は自分に批判的な報道に「フェイク・ニュース(偽ニュース)」とのレッテルを張ったが、こちらは「フェイク・フード(偽食品)」である。
といっても、消費者をだますことを目的とした悪徳商品ではない。むしろその逆で、より健康で、より環境に優しい食品を求める意識の高い消費者のニーズを、新しい技術を使って満たすことを目指した食品だ。
その代表的な商品が「植物肉」を使ったハンバーガーである。市場をリードするのが、ロサンゼルス空港の南に小さなオフィスを構える米ビヨンド・ミート(正式社名はサベージ・リバー)と、サンフランシスコに本拠地を置くインポッシブル・フーズだ。
ビヨンド・ミートは、本物の肉ではなく、エンドウ豆から抽出した植物性タンパク質で作ったハンバーガー用のパティを開発。昨年5月から、高級スーパーのホールフーズ・マーケットで販売を開始している。既に、西海岸を中心に約360店舗で販売しており、今秋までには他の小売りチェーンも合わせて数千店舗に拡大する見込みというほかにも、ベジタリアン向けレストラン28店舗、最近ではエール大学の食堂でも食べられるようになった。

一方のインポッシブル・フーズは、同じように植物肉を使ったハンバーガー用のパティを開発しているが、遺伝子操作をした酵母菌が生み出す肉独特の風味を出す「ヘム」という物質を混ぜているのが特徴。スーパーではなくレストラン向けに販売し、現在はサンフランシスコやニューヨークなど大都市を中心に10店舗以上で同社のパティを使った「インポッシブル・バーガー」を食べることができる。

ビヨンド・バーガーとインポッシブル・バーガーは、それぞれどのような味なのか。現地で試してみた。
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