物価がなかなか上がらず、デフレ脱却は難しい――。日本の政策担当者から、しばしばそんな声が聞こえてくる。しかし、そんな環境認識は誤りだ。景気減速が鮮明な中国では、デフレが輸出されている。韓国で、欧州で、「失われた20年」に日本で見られた光景と同じものが目に入る。米国も、長い目で見れば停滞への道を確実に歩んでいる。世界は「同時デフレ時代」に突入しようとしているのだ。光明が見えにくい低需要時代を企業は生き抜けるのか。心配はご無用。日本企業は長いデフレを生き抜いてきた。培った教訓やノウハウは、これからの時代にも通用するはずだ。