50代に求められるのは「教える」こと

 “ワーカー(Worker)”とは、命令を受けて仕事をこなす人だ。

 “ティーチャー(Teacher)”とは、問いを与え、その答えを教える人である。

 20代、30代、40代までは、“ワーカー(Worker)”でいい。身体も動くし、何しろ経験も浅い。しかし、50代以上で“ワーカー(Worker)”でいいだろうか。

 「いやいや、今の50代は若いぜ」という声も聞こえそうだ。実際、今の50代には元気ハツラツな人が多い。ただ、現役を続けているサッカーのキングカズ選手も、(まだ40代だが)スキージャンプのレジェンド・葛西選手も第一線のプレーヤーを勇退する時が、いつか必ず来る。プレーヤー(Player)としてのパフォーマンスが低下する時がくるからだ。

 ビジネスシーンでは50代以上の、“ワーカー(Worker)”としての価値はゆるやかに低下し、逆に上がっていくべきなのは、“ティーチャー(Teacher)”としての価値だ。

「人生経験」を生かすのは「古今東西」

 50代が、20代、30代、40代と居合わせる機会と言えば、会議だ。会議の場で、50代が豊富な人生経験で“ティーチャー(Teacher)”に転身するにはどうすればいいんだろうか。

 ズバリ、50代が“ティーチャー(Teacher)”に転身するキーワードは「古今東西」だ。

 「古今東西」とはどういうことだろう。この言葉の正確な意味はこうだ。

 “昔から今まで、あらゆる場所で。いつでもどこでも。「古今」は時間の流れ、「東西」は空間の広がり”(出典:新明解四字熟語=三省堂)

 年長者は、長い人生で“利”がある。その利は、一日の長だ。現在と過去を過ごした時間が長い。そして、東西の幅広い違いを広く知っている。

 その意味から、年長者に求められる「知識」をこう定義したい。

  • 古今:現在と過去の歴史的知識
  • 東西:世間や他社の知識

 20代、30代、40代が中心となって導き出す結論や意思決定の中に、今まで誰も経験したことがない重い結論があるだろう。判断を迫られているが、今ひとつふんぎりがつかない。

 

 そんな時こそ「年長者」の「古今東西」知識の出番だ。次のページで紹介する公式を活用して、助言してあげよう。