脂の乗りきった40代は、会議をファシれ!

 「ファシる」とは、「ファシリテーションする」という略語である。「ファシリテーション」とは、事がうまく運ぶように整理、舵取りする技術だ。会議において具体的に言うと、周囲の意見を引き出し、整理し、ゴール到達への支援を意味する。

  拙著『ムダゼロ会議術』では、第2章でこってりと会議のファシリテーション技術を紹介している。

 ここでは、会議中、「議長」になることの多い40代に向けて、「言葉」の技術を紹介しよう。

 40代が仕事に背負う責任は重い。その分、放つ言葉の影響力も大きい。一言で会議の進行を舵取りできる「魔法の言葉」としての威力がある。

 場面や状況で使うべき言葉を体系的に紹介するので、実際の会議で試してみよう。円熟40代の言葉ひとつで、会議の流れが驚くほど変わることを実感するはずだ。

出典:横田伊佐男(2018)『ムダゼロ会議術』(日経BP社)p213

 まず、上のマトリックスの見方を説明しよう。

 縦軸は、進行を表している。上から下へ時間が経過する。「思考拡大」→「議論整理」→「(議論の)方向修正」→「(議論の)進行修正」と進んでいく。

 制限時間をにらみながら、会議の議論が今どこにあるのかを常に把握しておく必要がある。

 横軸は、強制力を表している。左から右へ行く順で強くなる。「質問」→「助言」→「評価」→「指示」となっており、参加者の主体性に委ねる状況(弱い)が左側、議長が仕切る状況(強い)が右側だ。

 この「4要素✕4要素」のマトリックスにある16ボックスには、それぞれ「魔法の言葉」が入っている。魔法と呼ぶのは会議の状況をそれぞれ変化させることができるからだ。

 時間進行上、「思考拡大」の時間なのか。いや、時間が迫り「議論整理」の時間か。「方向修正」や「進行修正」をしなければならないほど、煮詰まったり脱線したりしている状況か。それらを見極めることで、かける言葉が違ってくる。

 また、会議の雰囲気が、参加者の意見を引き出すのには「質問」を使うべきか。あまりに迷える子羊化しているのであれば、「指示」すべきか、を判断し、言葉を選んで会議をまとめあげなければならない。

 いくつか具体例を挙げてみよう。