(イラスト/和田ラヂヲ)
(イラスト/和田ラヂヲ)

 会社にいれば、20代と50代が仕事をしているなんて普通の光景だ。

 しかし、両者の価値観には大きな隔たりがある。これをジェネレーション・ギャップと言う。

 先日、20歳前後の大学生向け講義で、「CD、持ってる人?」と聞いてみたら、なんと1人も手が挙がらなかった。それもそのはず。今は、スマホで音楽を聴く時代だ。

 翌日、50代のオジさんが集まる管理職者研修でその話をしたところ、全員がどよめいた。「CDってつい最近の技術だったのに、もう誰も使っていないのか」と驚いていたのだ。

 オジさんたちを笑わないでほしい。かつて数百、数千のCDを買い求めたオジさんだって、今はスマホからの音楽を、ワイヤレス・イヤフォンで聴いていたりする。

 分かっちゃいる。分かっちゃいるけれど、隔世の感に驚いているのだ。

 このように、20代と50代の間には大きなジェネレーション・ギャップという「谷」がある。それにもかかわらず会社では、幅広い世代のビジネスパーソンが一同に介して、「会議」で話し合い、何かを決めていかなくてはならない。

 もう少しイメージしやすいように、著名人に例えてみよう。

 今年、ちょうど50歳になった元有名プロ野球選手がいる。元ジャイアンツのエース、桑田真澄氏(1968年4月1日生まれ)だ。桑田氏は甲子園で大活躍した後、プロでも即戦力となった選手。圧倒的パフォーマンスから「新人類」と呼ばれていた。常識では計れない新たな人種という意味だ。

 一方、現代において「新人類」キーワードが最も似合うプロ野球選手は、大リーグで活躍する大谷翔平選手(23歳・1994年7月5日生まれ)だろう。投打の二刀流で高い成績を残す能力は、これまでの常識を打ち破っている。

 この2人が、現在同じプロ・スポーツフィールドでプレーすることはない。スポーツ界では、若き力が老いた力を圧倒的に上回るからだ。

 しかし、この2人が同じ企業にいるビジネスパーソン同士だったら、どうだろうか。

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 スポーツフィールドでは一緒にプレーすることのない2人だが、ビジネスフィールドだったら、一緒に仕事をすることは何ら不思議ではない。

 50歳を迎える桑田氏なら、企業だと部長職あたりで働き盛り。たくさんの部下をマネジメントしている年齢だろう。一方、23歳の大谷選手は大卒入社の新人とほぼ同じ年齢。企業内でこの2人が並び立てば、力の差は逆転する。

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