(イラスト/和田ラヂヲ)

 私の持論だが、ビジネスパーソンにかかわらず、あらゆる行動は「紙1枚」から生まれる。

 社会に出て通用する教養の基礎は、小学校教育にある。中でも「読み書き(国語)」「そろばん(算数)」は、社会で行きていく上で不可欠なため、日本人成年の頭には基本事項がしっかりインストールされているはずだ。

 なぜ、我々の頭に「読み書き(国語)」「そろばん(算数)」がしっかりインストールされたのだろうか。2つに共通した理由がある。

 「読み書き(国語)」も「そろばん(算数)」も、そのエッセンスは「紙1枚」にまとまっていることだ。

 「読み書き(国語)」は、五十音表。

 「そろばん(算数)」は、掛け算九九表。

 「紙1枚」だからこそ頭にインストールされ、日常でも使いこなせている。

 逆に「紙1枚」を超える複雑な公式などは、今となっては使いこなせていないのではないだろうか。

 会議術も同様だ。うまくいく会議ノウハウはここだけの話、「たった1枚」にまとまっている。

 「紙1枚」だからって拍子抜けしないでほしい。逆に、そのノウハウがマニュアルの様に膨大であれば、現場で使えないものになる。思い出せないからだ。

 筆者は、仕事のスピードが早く、人を動かし、想いを実現する、いわゆるデキるビジネスパーソンや経営者を数多く見てきた中で、ある共通点を発見した。

 それは、「紙1枚」にまとめる要約力を身に付けていることだ。

 何十枚にも積み上がる会社の事業計画、自部門の課題と対策、大規模なプロジェクト計画など複雑な事象を、「紙1枚」にまとめあげているか。行動力があり、実績を出しているビジネスパーソンとそうでない人の差が、「紙1枚」の要約力の有無だった。

 頭の中に1枚の地図を持っているかどうか。地図が1枚だからこそ、現在位置と目指すべきゴール、その間に存在する障害点を意識することができる。

 この地図が、2枚以上になれば、途端に全体像が見えなくなってしまう。それだけ、頭の中に「紙1枚」が落とし込めるかどうかは、圧倒的な行動力をつくりだす源泉になる。

 長く無用な会議になるか、短く有用な会議になるかは、会議を仕切る議長の頭の中に「1枚の地図」が描かれ、制約ある時間内にどんなところへ落とし、どこのゴールへ持ち込むかの「要約力」が必要になる。