「会議前」は成果から逆算しよう

 チェックするために、表のそれぞれの項目について詳説していこう。
まず、「会議前」にありがちな状況と要因だ。

 

会議の目的が明確に決まっていない

 会議とは、1人以上の人員で成り立つ。自分1人ではないので、自由な意思決定ができない半面、複数の参加者による多様な視点で得られるものがある。だからこそ、会議は開かれるのだ。

 会議の目的は大きく3つある。「決定」「共有」「拡大」だ。
会議を開くからには、「何のための会議か」を見極めなければならない。

明らかに会議に不要な人員を招待している

 会議の目的ごとに、自ずと会議に呼ぶ人員は絞られてくるはずだ。

 「決定」会議では、決裁権者が多く集まる。ゴールは、「可決(OK)」か「否決(NG)」の大きく2つに振り分けることにある。

 「共有」会議は、楽天グループの全社員が集まるような大規模なものから、小グループ単位のものまで様々だ。ゴールは「意思伝達」であり、繰り返し行われることがある。

 「拡大」会議は、同じ仕事に携わるプロジェクトメンバーなどで実施する。「三人寄れば文殊の知恵」ということわざがある通り、凡人も三人集まれば素晴らしい知恵が出るという意と同一。発想の拡大や飛躍がゴールだ。

 このように、会議の目的別に人員が選り分けられていなければならない。

会議の目的が明確に決まっていない
明らかに会議に不要な人員を招待している

 この2点に該当する人には、欠如していることがある。それは、議長の「逆算力の欠如」に尽きる。

 会議は、それを開く前から始まっている。会議に期待する成果から逆算すれば、自ずと呼ぶべき人員と呼ばない人員が振り分けられるわけだ。

「会議中」ではファシリテーションを磨け

 次に「会議中」にありがちな状況と要因はこれだ。

議長が、シナリオを持って運営していない

 会議の運営には議長が必要になる。議長不在の会議は絶対にうまく運営されない。だが注意すべきなのは、議長が存在するのに、うまく運営されないことである。
実はこのケースが散見される。うまくいかない理由は、議長が会議のゴールを設定せず、運営シナリオを持たないからだ。

 そんな会議は、時間が長く、何も決まらないことが特徴だ。

 参加者の多くが無関心で発言しない

 議長は1人だが、参加者は複数だ。会議の質と効率を上げるのも下げるのも圧倒的多数の参加者次第になる。

 しかし、会議中、全く発言しない参加者が大多数を占めていないだろうか。

 私は外資系企業と日本企業の両方で様々な会議に出席したが、外資系企業に比べると、日本企業に勤務するビジネスパーソンの方が、圧倒的に「沈黙」が多い。

 外資系企業の会議で発言や質問をしないことは、そのテーマについて「容認」をしたことを意味する。ただ、頻繁に「沈黙」が続けば、「容認」しているというより、「無関心」「無知」「無能」と見なされてしまう。参加者が発言しやすくなるような工夫が求められる。

 改めてまとめると、

議長が、シナリオを持って運営していない
参加者の多くが無関心で発言しない

 この症状は、議長の「ファシリテーションスキルの欠如」が要因だ。制限時間内に定めた論点に対する意見を「拡大」し、実現可能なものに「分割」し、行動できるよう「俯瞰」する思考が必要になる。