サミット(首脳会議)のキーパーソンはこの人!

 先進各国の首相や大統領などの首脳は、多忙なスケジュールの中、ホスト国に赴いてかならず定期的にサミット(首脳会議)を行う。地理的に離れ、言語も異なり、多忙を極める首脳ならば、メールやテレビ会議が効率的かもしれない。しかし、そんなことは絶対に行わず、限られた時間内で「顔を合わせた会議」を行う。

 それはなぜか。

 顔を合わせ、膝を突き合わすからこそ、インテリジェンス(情報)に触れられる。また、対立する意見を合意形成していくのも対面する会議が最も有効だからであろう。

 しかし、国益を背負っての会議は難航するに違いない。どうやって、効率的に会議を進めているのだろうか。

 秘密は、「シェルパ」の事前準備力にある。

 サミット(山頂という意味)へ登山者をガイドする山岳案内人を「シェルパ」と言うが、サミット(頂点たる首脳会議)で会議に参加する首脳の意思決定を支援する各国の高官もまた「シェルパ」と呼ばれる。

 首脳が「枝葉」の議論でなく、「幹」の議論に集中しやすいように、シェルパが準備に準備を重ねて顔を合わす時間を有意義にしているのだ。

ソフトバンクグループではあの2人が活躍していた

 日本を代表する経営者として知られるソフトバンクグループの孫正義会長兼社長は、新聞の一面を飾るような買収や出資などの意思決定を行うことで有名だ。独断的に意思決定しているような孫氏は、実は「取締役会議」を有効に活用している。

 日本電産の永守重信会長兼社長、ユニクロなどを展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長をブレーキ役、ご意見番役として社外取締役に据えて、会議の場を通じて面と向かって孫氏自らに対峙できる実力者をそろえている(永守氏は2017年9月30日付でソフトバンクグループの社外取締役を退任)。

 ブレーキ役がいれば、孫氏にとって、やりたいことがやりにくい。それでもなぜ、会議にブレーキ役たる人材を配置するのだろうか。

 それは、多様な視点を形成したいからだ。

 いつもは、ブレーキ役にまわり孫氏を牽制する柳井氏も、多様的視点で貢献したことがあった。ソフトバンクがボーダフォンを買収する際、自らブレーキを踏んで逡巡する孫氏に対してアクセル役に回った。

 買収を後押しし、正反対の意見で意思決定に参加したのである。