私にとって毎年3月は、憂鬱でしょうがない。過ごしにくいったら、ありゃしない。
なぜ憂鬱で、過ごしにくいのか。それは3つの理由がある。
1つは、花粉症。目も鼻もムズがゆい。
私の場合は、通常のパフォーマンスが100%だとすると、花粉症が発症する3月は、1割の力も出せない。視覚も嗅覚も奪われているから、しょうがない。
2つ目は、恒例の道路工事だ。年度末の予算消化なのか、都内の道路でとにかく工事が多い。自分で運転時の渋滞もいら立つが、タクシーに乗っていると、工事渋滞で容赦なく跳ね上がるメーターに対して、どうやって怒りの矛先を向ければいいのか、分からない。
3つ目が、会議の進行が遅く、結論が出ないことだ。こちらも年度末で、4月からの新人事、新予算が確定していないので、とにかく企業で数多くの会議が渋滞して、進まない。
これら3つのうち、1つ目と2つ目は、医学なのか、政府なのか、とにかく誰か何とかしてほしい。私では何とも解決できないのだ。
ただ3つ目は、私に解決の糸口がある。私は、それらの解決策を体系立てて知っているからだ。
本連載では、書籍『ムダゼロ会議術』にまとめた会議のノウハウをダイジェスト版で公開していく。同じような悩みを持つ人に役立てば幸いだ。
20年前の織田裕二の叫びは、本当なのか?
遡ること20年前の1998年。織田裕二扮する青島刑事は、こう叫んだ。
「事件は“会議室”で起きてるんじゃない! “現場”で起きてるんだ!!」
この叫びは、かつての大ヒットした映画「踊る大捜査線 THE MOVIE」(1998年)の名セリフだ。
現場にいる主人公の刑事は、遠く離れた会議室の幹部に対していら立っている。会議室の幹部が明確な指示を出せないため、主人公の刑事は現場の犯人を取り逃がしそうになっていた。
意思決定機関である「お上」に対して不満を爆発させたそのシーンは、日頃から同様の鬱憤(うっぷん)をためているビジネスパーソンを代弁していて、映画のヒットとともにこの名セリフは流行語となった。
あたかも実際のビジネスシーンでの実態を表しているかのようなこのセリフ。しかし、大きな過ちがある。
「事件」は「現場」で起きているかもしれない。しかし、ホントの「問題」は「会議室」で起こっているのだ。

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