高原:僕もそれなりに覚悟を持って沖縄にやって来ました。選手として専念させてもらえる環境を一回退いてゼロからスタートさせましたが、そのうち(Jリーグに)返り咲いてやろうと思っています。だからこそもう一度その舞台に戻ることを考えた時、遊ぶ余裕もないですし、本気でやっているところを見せられたらと思っています。

 J(リーグ)やドイツなどでプレーしていたころは周りがみんなトップの意識を持ってプレーしていたのでそこまで言う必要はなかったというのもありますが、カテゴリーが下がっていくと当然、何かが足りないからここにいるという選手が多いんですよね。そうなると、これまで何も言わなくてもいい環境から「こうしよう、ああしよう」と言わなくてはいけない状況が生まれてきて、自分は監督の立場でもありますから厳しさを入れていかないと駄目だなと思いました。

 その中で自分たちのレベルをどこに合わせていくのかと考えた時、ある程度高いレベルを保つことが大事です。今、3部リーグに所属していますが、そこのレベルと合わせていたら、いつまで経っても成長しない。選手たちにはプロ意識を持ってほしい。難しいのはわかっていますが、それに近づくところまで要求し、自分たちはそこまで行くんだぞという思いをぶつけています。

若い人に人生を変えてほしい

平川:その思いについて私自身、周りに波及しているなと感じる瞬間があるんです。採用まわりをしている時に「沖縄SVのスポンサーされていますよね」と求職者から話されたりとか、会社にサイン入りのユニフォームを飾っているのですが来客された方に「撮っていいですか」と言われたりするんですよね。その度にチームの活動が真に伝わっているんだなと思います。

 我々の会社は20歳前後の専門学校生を早期出社という形で10月から受け入れをしているのですが、彼らにとってのサッカー選手といえば本田(圭佑)選手や香川(真司)選手が有名です。仕方のない話ですが多分、高原さんがバリバリで世界で活躍されていたころをよくわかっていないと思うんですよね。逆に言えば、高原さんのネームバリューだけでは決してなく、チームが取り組もうとしていることへの関心が若い人たちにも伝わっているのかなとも思います。

 私たちの会社は過去の学歴とか関係なく社員を採用をしているのですが、うちに入ったことによって人生を変えてほしいなという思いがありますので、私も経営者として高原さんの考えに共感できます。地方の会社は地元にもっと密着していかないとという気持ちがあって、地元に愛される企業でないとこれ以上の拡大は見込めないんじゃないかと思っていたとこだったんです。

 その中で今回、沖縄SVとパートナーを組むことができました。これとは別に琉球大学とも産学連携で事業の取り組みを始めているところで、私たちも沖縄とのつながりをより太くしたいという思いが強いです。

(対談は明日公開の後編に続きます)

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