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※記事の最後に、前号で告知すると約束した「嬉しいお知らせ」があります。是非お読みください。

東急電鉄の「AI保守管理」の実証実験に着手

 11月から12月中旬にかけて、目が回るほど忙しい日々が続いた。11月中旬には、これまで日本に出張しながら水面下で進めていたプロジェクトを公表した。11月14日、日本最高の私鉄企業である東急電鉄(東京急行電鉄株式会社)と、鉄道電気設備の保守管理に対するAIを使った実証実験についてのプレスリリースを行ったのだ(プレスリリース本文はこちら)。

 市民の安全な交通を司る鉄道会社にとって、日々の鉄道の運行に関連し、何らかの重大な障害が発生する前に、その兆候を予測することは、間違いなく待ち望んだ未来だったと言えるだろう。こうした未来を積極的に手繰り寄せるため、我々フラクタがアメリカで積み重ねてきたインフラの予兆保全に関する知見を、東急電鉄は自身のインフラに適用することに決めてくれたのだ。

 僕たちフラクタは、これまで機械学習(AI)を使って、全米に張り巡らされた上水道配管の、経年劣化予測を行ってきた。一方で、こうした技術がその他のインフラ資産にも十分適用可能であるという感覚を得つつあったところだったので、東急電鉄との連携は、願ってもないチャンスだと思った。1日、2日だけ東京に出張するという日程を何度も組みながら、東急電鉄と調整を繰り返し、なんとかこの発表まで漕ぎ着けたことに、僕は安堵した。

 言うまでもないが、東急電鉄は非常に先進的な会社だ。野本会長(当時社長)、市来常務、藤原常務ほか東急電鉄のメンバーが、レッドウッドシティのフラクタオフィスを訪問してくれたのは、今年の1月だった。日本で最高の鉄道会社のトップ経営陣が、フラクタのオフィスで、僕たちのプレゼンテーションを楽しそうに聞いてくれるということが、僕は嬉しかった。プレゼンテーションを行った僕も、CTOの吉川君も、とにかく日本が大好きなのだ。

 東急電鉄とは、何度かやり取りをしながらも、それからしばらく時間が経った。プロジェクトの話が一気に進んだのは、夏前に僕がテキサス州に出張している際、東急電鉄の事業開発室プロジェクト推進部(新しいプロジェクトを積極的に立ち上げる部署)の森田さんから、僕の携帯にいきなり電話がかかってきたことがきっかけだった。