出資者に伝えたいことがあり、2日間だけ、久しぶりの日本へ
出資者に伝えたいことがあり、2日間だけ、久しぶりの日本へ

 11月21日と22日、たった2日間だけだが、日本に一時帰国して、投資家や監査法人とのミーティング、また取締役会など、色んなミーティングを精力的にこなした。久しぶりの日本だ。今回の帰国では、株主とミーティングをして、僕の口から直接伝えておきたいことがあった。

バブルという選択肢

 それは、今の日本の株式市場が、僕にとっては残念ながらバブルに見えるということについてだ。その昔、ブログを書いていた頃に、「アベノミクスとバブル、扇動」という記事を書いた(もうブログをやめてしまったので、記事は消えてしまっている)。2013年5月のことだ。金融政策主導で、円安と株高を煽っているように見えたアベノミクスの危ういとも言えるやり方に、警鐘を鳴らす目的から書いた記事だった。

 記事の中で僕は、「アベノミクスでは極短期の経済政策(無制限の量的緩和と大規模公共投資)を行って、無理矢理景気を回復しようとしても、その効果は長くて2、3年しか持続しない。その間に成長戦略なるものを打ったとしても、(現時点では少なからず方策のピントがズレていることもあり)構造的に重要なポイントを押さえ、実質的な第3の柱が開花するまでには経済がもう一度失速することになる。

 つまり、参院選までは持って、自民党が大勝しながら憲法改正までは力技で持ち込むことができたとしても、ロングタームでの日本経済については一度失速せざるを得ない。先を急ぎすぎて失速する。つまり雇用は一度拡大するかに見えるが、その後大きくまた雇用が減ってしまう」と予測していた。

 今回のこの記事では、アベノミクスの是非については触れない。ただ、その結果としてもたらされた、株と不動産に金が流れ込む特異な現象を目の前にして、投資家からお金を預かっているロボット・ベンチャーとして、考えなければならないことがあると思ったのだ。

 11月22日、銀座にある老舗の喫茶店で、僕は株主の前に座っていた。僕から株主にはこう伝えた。

 「ロボット関連株含め、日本の株式市場がバブルの様相を呈していることはご存知の通りです。率直に言って、私には、この株高が日本の実態を反映しているとは思えません。しかしこれは、投資家にとっては良いことなのかも知れないのです。つまり、投資家にとって、ロボット・ベンチャーに投資すれば、早期に売り抜けることだってできるということです。一人の経営者としては、投資をしていただいた以上、こうした選択肢があるのだということを、一度はっきりとお伝えしておかなければならないと思いました」

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