8月11日、夕方を知らせる赤々とした西日が射す僕たちのサンノゼオフィスでいつものように仕事をしていると、ラースさんのPCに一通のメールが舞い込んだ。そこにはこう書いてあった。

 「Most of your observations in your presentation are spot-on(あなたがメールに書いてくれた内容、私たちの産業が抱える問題点に関する指摘は、全くその通りです)」

 僕たちが営業をかけようと、作成した資料を送った相手からのメッセージだった。ラースさんが色々と手を変え品を変え、上下左右斜めからアプローチして、何とか獲得した先方のメールアドレスに、この数日前、僕たちが作った渾身の提案資料を送っておいたのだ。

 その日の夕方、ラースさんが興奮して僕の席までやってきた。「加藤さん、とにかく今すぐ見せたいメールがあるんだ。会議室に入ろう。大きなスクリーンで見て欲しいんだ」。こうして見せられたメールの冒頭に、この言葉が書いてあったのだ。

 「おぉ~、すごいじゃないか!」
 「だろ、加藤さん、そうなんだ、すごいだろう」

 僕たちは歓喜した。このメール文面を二人で順番に何度も読み上げ、「おぉ~」とか「すげ~」とか、子供のようにはしゃいでいた。

爆発する日のために、少しずつ賢く

 アメリカで活動を開始してしばらく、色々な角度から営業活動を行ってはきたものの、こんなに綺麗な形で、ピタッと僕たちの提案がハマった(ように見えた)ことは始めてだった。この文面のあとには、とにかく今すぐ僕たちに会いたいので、直近で僕たちに会える面会候補日をいくつか送って欲しいと書いてあった。

 もちろん、望むところだ。先方が言うには、「自分たちでもこういう活動をやりたいと思っていたが、そんなサービスを提供してくれる会社がこれまでいなかった。だからとにかく早く会いたい」というのだ。

 もちろん、この記事を書いている段階で、まだその会社には会っていない。来週アポが取れたので、ラースさんと僕の二人で、先方に会ってくる予定だ。それが上手くいくかどうかなんて、僕たちにも分からない。でも、僕たちは、ただただ興奮しているのだ。それは僕たちの人生にとって、大切なことなのだ。

 僕はそのメール文面をプリントアウトして、僕の仕事机の横にある壁に貼り付けた。それがなんにせよ、これは僕たちにとって、記念のメールだ。

 僕たちは毎日毎日、少しずつ少しずつ賢くなっている。水道管、ガス管、石油配管などのマーケットについて、毎日多くのことを学び、ロボットを使ったビジネスとして、何がヒットするのかについて、毎日少しずつ補正を繰り返した結果、お客さん候補の要望にピタッとハマったということなのだ。

 「こうした活動を繰り返していれば、どこかでこのビジネスが爆発するはずだ」。赤々とした西日が、やがて紫色に変わる頃、僕たちはどちらともなく同じ言葉を口にしていた。

 この記事も、色んなところで、「いつも奮闘記を楽しみにしています」などと言ってもらえて、本当に嬉しい限りだ。読者の方々からの応援メッセージには、相変わらずなかなか返信ができないながらも、全てに目を通している。引き続き、応援メッセージなどは、info@takashikato-office.comまで連絡をもらえれば、とても嬉しい。

試行錯誤の中に、嬉しいことも増えてきた