何だか分からないけど、ありがとう!
8月10日の金曜日の朝、僕は木曜日の夜中にケンタッキー州への出張から戻ってきたジョエルと立ち話をする機会があった。営業現場で立て続けに3件起こった不思議な現象(これまでテコでも動かなかった水道会社が、ジョエルが営業活動に参加したとたん、向こうから「お金を払いたい」と言ってきたこと)について、ジョエルと色んな角度から話していると、僕は自然とあることに気がついた。これはもしかしたら、ジョエルという人間がもたらした奇跡なんじゃないか。
「ジョエル、何かがジョエルの周りで起こっている。僕はそれに気づきつつあるよ。◯◯(水道会社の名前)も、□□(水道会社の名前)も、△△(水道会社の名前)も、よく考えれば、ジョエルが会議に参加する前は、今後の営業成約は絶望的だったと思う。でも、何かが起こったんだ。機械学習と製品開発をよく理解したジョエルという人間が、お客さんにとっての安心材料、保険にでもなっているかのようだ。僕を含めた、テクノロジー好きの“ガキ”が出ていって騒いでも、向こう(水道会社)は納得しなかった。ところが見てくれ、ジョエルが参加したとたんに『ソフトウェアを買いたい』だって。ジョエル、素晴らしいよ。何だか分からないけど、ありがとう!」
僕は早速、毎週金曜日に行われている全社会議の場で、このジョエルが参加してから起こった不思議な現象について、説明を試みた。
「今日はみんなに一つ聞いて欲しいことがある。ジョエルが入社してから、とても不思議なことが起こっている気がする。社長である僕自身も、まだ必ずしも上手く捉えきれていないことだけれど、ジョエルが参加した◯◯のミーティング、□□のミーティング、△△のミーティングについて、こうした水道会社たちが、急にソフトウェアを買いたいと言ってきたことには、共通の理由がある気がするんだ。
これをBreakthrough Phenomenon(ブレークスルー現象:何かが急に好転したときに起こる奇妙な現象)と呼ぶことにしよう。兎にも角にも、この現象が起こっている。僕は、それが、ジョエルの経験やプレゼンテーション方法、はたまたキャリアの長さから来る安定感のようなものが、お客さんの意思に影響を与えたと思っているけれど、その実は分からない。ただ、上手くいっているという事実が大切で、おそらくそれはジョエルという人間の存在に起因している。これからは、重要な営業についてはジョエルに同席してもらうなりして、この現象を拡大発展させていきたいと思っている。その因果関係が今は捉えられなくとも、それが現実に起こっている限り、経営上はこうした現象を見過ごさないようにすることが、経営者の仕事だと思うんだ」。


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