6月20日の21時過ぎ、イリノイ州シカゴのオヘア空港に到着した。その日から3日間の予定で始まったアメリカ水道協会の展示会に参加するためだ。翌日の予定を確認するために、できれば今晩のうちに、僕より少し先にシカゴに入っていた副社長のラースさんと打ち合わせをしておきたい。このところ旅慣れてきて、荷物は機内に持ち込んだバックパック1個のみだから、Baggage Craim(手荷物受取所)でのピックアップは無い。

アメリカ水道協会の展示会に参加するため、シカゴへ

 空港を出ると、やけに蒸し暑い。カリフォルニアはカラッと乾燥しているが、このジメッとした感じも悪くない。シカゴというのは冬の寒いイメージしか無かったけれど、あとから聞いたら、どうやらここ最近、シカゴも異常気象なのだそうだ。

 タクシーに乗り込み、先を急ぐ。どういう理由だか分からないが、タクシーの運転手は4つある窓を全開にして高速を走り続ける。アメリカ特有の、高速道路を照らすオレンジ色の外灯をビュンビュンと超えていく。まるでジェットコースターのようだから、これはこれで楽しい。

ホテルはロシアンルーレット

 22時過ぎにホテルのロビーに到着すると、事件が発生した。チェックインができないのだ。受付の人間が言うには、僕の予約は昨日からになっていて、僕が昨日ホテルに現れなかったので、勝手にキャンセルしましたということだった。確かに予約を間違えて、前日から3泊4日の予約を入れていたのは事実なのだが、その後に電話で予約日程の変更をお願いしていた。

 「確かに電話で変更をお願いしたのだから、予約がキャンセルされているなんておかしいじゃないか」
 「申し訳ないですが、当方ではどうすることもできません。本日は全室満室ですし、お客様の本日の予約はシステム上入っていないのです」。

 自分の権利をしっかりと主張するのが当然の国なので、泣き寝入りは禁物だ。それは分かっているのだが、こっちが真っ当な話をしているのに、向こうはクレーム処理のように素っ気ない口ぶりだから、本当に悲しくなる。向こうにとってみれば、おそらく展示会目的でやってきたリピートなどしてくれない日本人を、こんな風に袖にしたところで失うものも少ないのだろう。

 アメリカでのこうしたやり取りには毎度辟易としているが、とはいえだんだん慣れてきたことも事実だ。またか、という感覚があった。ホテル運営にしろ、レストランにしろ、日本に比べてオペレーションが属人的で、何のかんの引き継ぎが適切に行われていないことも多く、どこに行ってもこうしたトラブルが頻発する。

 予算の関係で、安宿に泊まっているこちらも悪いのだが(何しろ今回のホテルに関しても、ラースさんが「直前スペシャル」とかいう、ウェブ上の怪しげな企画で獲得した部屋だったのだ。金額レンジと大まかな宿泊エリアだけが決まっており、どこのホテルが当たるか分からない。まるでロシアンルーレットのようなそのホテル選びの方法を、僕たちは気に入ってよく使っていた)、寝るところがないと困ってしまうのも事実だ。