かくいう僕は、去年の11月にカリフォルニア州メンローパークに家を借りた。こちらの地価は住宅バブルで完全に高騰しており、驚くような家賃の割には、家はボロボロだ。僕の家は1953年築で、ものすごく古い。サンフランシスコからサンノゼまで、サンフランシスコ湾沿岸のエリアを指して、サンフランシスコ・ベイエリアという。
いざ、Max Dangerの冒険へ
別名シリコンバレーだ。毎日、何もかも分からない。話し方も考え方も違うアメリカ人たち(といっても、このエリアにはアジアからの移民がとても多いのだが)との生活やビジネスは、僕にとってはアドベンチャー(冒険)に他ならない。小さなことですら、最初は意味や理由が分からず上手くいかないことが多い。
しかし僕は毎日それを楽しんでいる。
『Max Danger: The Adventures of an Expat in Tokyo』(マックス・デンジャー:東京に住む外国人の大冒険)という本をご存知だろうか。1987年に書かれた本だから、知らない人のほうが多いだろう。かつて、東京に移り住んだアメリカ人が、文化的な衝突を乗り越えて、東京で生活する様を活きいきと書いた書籍なのだが、僕がいま経験していることは、まさに『Max Danger: The Adventures of an Expat in Silicon Valley』なのだ。
当連載「サムライ経営者、アメリカを行く!」は、僕にとっては、まさに自らのMax Danger物語に他ならない。何しろアメリカが商売の拠点だから、僕が日本のメディアに多く露出する積極的な意味は少ないだろう。しかし、自分の活動を記録しておくこと、それを後からアメリカにやってくるMax Dangerたちに届けることには一定の意味があるように思う。毎月、この日経ビジネスオンラインで、現在、僕が何をやっていて、どんなことに悩み、どうアプローチしているのかについて記載することができるならば、それは僕にとっても良いことだと信じている。
文章を書くというのは孤独な作業だから、道中、何かしらの温かいフィードバックをいただけるのであれば、info@takashikato-office.comまで連絡をもらえれば嬉しい。全てに返事をすることはできないかも知れないが、だいたい来たメールには目を通している。来月何が起こるのか、まったく分からない。来月起こったことを、書いていければ、それで良いのだろうと思う。

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