祈るような気持ちで

 だからこそ、日本の大企業には、限られた時間の中で、フラクタの製品が持つ価値だけではなく、こうしてこれから起こってくる産業の変化についてもできるだけ話をするよう心がけた。何しろ、こうした企業が他に先んじてこの技術を取り込むことができれば、今後10年、20年単位での、日本の大企業の利益、もっと大きなことを言えば、日本の国益に適うことになると思ったからだ。

 たった20数年前、僕たちが居を構えるアメリカはシリコンバレーで、第3次産業革命が始まった。それは1994年、「ネットスケープコミュニケーションズ」という小さなインターネット・ブラウザ(ウェブサイトを閲覧するソフトウェア)企業の誕生から始まり、後にIT革命と呼ばれるようになったものだが、この「IT」というものが何を意味するのかということに関して、具体的なアプリケーションではなく、輸入物の抽象概念から入ってしまった日本ほか世界の国々たちは、これに数年単位で出遅れた結果として、経済世界におけるアメリカの覇権固めを決定的なものにしてしまった。

 このIT革命に乗り遅れた日本が、それとちょうど時を同じくして未曾有の不景気に見舞われ、結果として「失われた20年」を過ごすことになったのは、記憶に新しいところだ。

 だからこそ、僕はことさらに真剣だった。日本企業たち、頼む、気づいてくれ。祈るような気持ちのミーティングが続いた。

 そんな中、僕の目の前では、面白いことが起こっていた。ほんの数人ではあるのだが、会って話をした人たちの中には、この可能性に気づきかけている人たちがいることが見て取れたのだ。今月からは、本格的にアメリカの投資家を回らなければならない。しかし同時に、日本のサムライたちに期待をしてみたいと、心の底から思った。

フラクタ・ファミリー一同、日本企業の皆さんの“決意”に期待しています


 前回も、色々な読者の方から応援のメッセージをいただいた。本当に嬉しい限りだ。読者の方々からの応援メッセージには、全てに目を通すようにしている。応援メッセージなどは、この記事のコメント欄に送ってもらえれば、とても嬉しい。公開・非公開の指定にかかわらず、目を通します。