アメリカのカルチャーに関する話が出たついでに、一つ今月印象に残ったことを挙げるとすれば、アメリカを代表する大富豪で、投資家でもあるウォーレン・バフェットが、2月25日、自身が率いる投資会社バークシャー・ハザウェイの年次総会に先だって、株主に対して送った書面についてだろう。

 彼は言った。

 「この国が始まった240年前から、アメリカは人々の創意工夫、市場システム、才能と野心に溢れた移民、そして法制度の整備によって、過去例をみないほどの豊かさを手に入れてきた」

 「過去何度も言ってきたが、この先も私はこう言うだろう。今日アメリカで生まれた子供たちは、歴史上でもっとも幸運だ」

バフェットも、掃除のおばちゃんも

 サンフランシスコ・ベイエリアに移住してきて、実際に仕事をして思うことがある。確かにアメリカには、今でもチャンスが溢れている。もしかしてシリコンバレーだけかも知れない。カリフォルニア州北部だけかも知れない。アメリカの色んなところ、シカゴやニューヨーク、シアトルにも出張したが、実際に住んだことがあるのはここだけだから、かなりバランスが悪い意見かも知れない。

 しかし、このウォーレン・バフェットの言葉は、間違っていないと思う。この国には、希望が満ち満ちていて、才能ある人間が、これでもかというくらい、チャンスを求めて今日もこの地に流入してくる。それは、今日も明日も事実だろうと思う。あらゆる社会のシステムが、ものすごくよく考えられていて、何事に関してもフェアになるように、きちんと法整備がされている。今日も色んなところで、「何がフェアなのか?」ということを求めて、様々な訴訟が巻き起こっていて、それは大変ではあるが悪いことだけでもなくて、それは毎日毎日、人々が権利の上に眠ることなく、前進を続けようとしている証拠でもある。

 法整備だけではない。人々の物の考え方が、才能ある人たちに対する眼差しが、何というか本当にフェアなのだ。人の足を引っ張っている暇なんてない。そんな時間があれば、目の前に広がるチャンスを掴まえるために時間を使ったほうが良いというカルチャーがある。